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2025年5月24日土曜日

DJ Logic And Jason Miles “Global Noize”

A Jam 4 Joe

2008年。鍵盤のジェイソン・マイルス Jason Miles と、米国のDJ、ターンテーブリストによる連名のアルバム。
このDJ ロジックはジェイソン・マイルスのアルバムには先に幾度か参加していて、同じように、今作にはジェイソンのアルバム “Miles to Miles”(2005年)にゲスト参加した顔ぶれが引き続いて呼ばれたりしています。
ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello とドラムのジーン・レイク Gene Lake や、バーニー・ウォーレル Bernie Worrell 等、といった面々。

ミシェルが参加したのはアルバムのオープニングを飾る曲。
ミシェルのベースに、ヴァーノン・リード Vernon Reid によるギター、という組み合わせで。サックスでボブ・バーグ Bob Berg も、彼は1984年にマイルス・デイヴィス・バンドに参加して名を上げた、というジェイソン・マイルスと同じようなキャリアのお方。
聴きものはなんといっても、ミシェルのぐいぐい走るファンクなベース、アッパーなカッコ良さ。ヴァーノンもジェイソンも引き立て役に廻って、珍しくミシェルが主役でしょうか。

バーニー・ウォーレルの参加は2曲(2曲め “Spice Island” と9曲め “Pool Of Honey”)。曲も良いし、いつもの通りのバーニーの指さばき、鍵盤使いでこれも充分に楽しめます。 

このアルバム、世界中の音というタイトル通りにインドはボンベイ出身という女性ボーカルもいたりとエキゾチックな面もありますが、基本はダンサブルなインスト集。ビル・ラズウェル Bill Laswell をぐっとくだけさせたような具合でしょうか。あれほどインテリっぽく気取ってはいませんが。
クラブ向けのちょっとマニアなサウンドを聴かせそうなジャケットも、これがよく見るとチープ、なかなか雑な写真の切り貼りで。
その後、この Global Noize というグループ名で活動、スライのカバー・アルバム等を出しておりますが、やはりジェイソンという方は、スムースジャズの人のようであります。

ジェイソン・マイルスとミシェルのつきあいは古いようで、元々、米国のTV映画のサントラ盤だという “People: A Musical Celebration Of Diversity”(1995年)に収録されている、
Dave Koz and Jason Miles “Cara’s Theme”
という一曲があって。劇中曲でしょうか、これにミシェルがベースで参加している模様。この曲は翌年のジェイソン・マイルスのアルバム “Mr. X”(1996年)にも再収録。



2025年5月6日火曜日

Jason Miles “Miles to Miles”

Guerilla Jazz

2005年。鍵盤のジェイソン・マイルス Jason Miles という方、実際にマイルス・デイビス Miles Davis やマーカス・ミラー Marcus Miller とも共演しているそうですが、そのマイルスをネタにしたアルバム。
正式なアルバム・タイトルは “Miles to Miles: In the Spirit of Miles Davis” と紹介されている場合もあり。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello が参加したのはアルバム中でも地味な曲。
ミシェルはベースのみ。ドラムのジーン・レイク Gene Lake と共に、徹底して単調に、けして前には出てこないプレイに始終しています。
この二人なのだから、ちょっともったいない使い方かもしれませんが、それよりも、ミックスとかで、もっとズブズブと地を這うような、泥臭いファンクにも仕上げられるだろうなと思ったり。

このアルバムは、ミシェルも参加したロイ・ハーグローヴの Roy Hargrove Presents The RH Factor “Hard Groove” やジャック・シュワルツバルト Jacques Schwarz-Bart の “The Brother Jacques Project - Inspiration”(どちらも2003年)に近い音ではありますが、もっとスムースジャズ的といったら良いのでしょうか。よりBGMな。

他にも、“Voices On The Corner” という曲もあって、バーニー・ウォーレル Bernie Worrell とジェイソンの鍵盤同士二人だけでプレイしています。On The Corner ということでマイルスのあれをバーニーが!?と思いがちではありますが、まあ軽い冗談みたいなもので。肩すかしといいますか、これにしても藪の中に分け入っていくようなことはせず。

アルバム最大のおすすめ曲といえば、“Flamenco Sketches” かもしれません。
マイルスからインスパイアされた(と思われる)曲が並ぶ中で、唯一のマイルスのカバー曲。あのメロディを、愛されるスタンダード、あるいは人気の高いポップ・ソングとして、しっかりまとめたような。
ドラムはジーン・レイク、ピアノは松居慶子 Matsui Keiko が。とても気持ち良く。



2024年9月12日木曜日

Bernie Worrell “Wave From the Wooniverse”

What Have They Done To My Funk

2024年。バーニー・ウォーレルの蔵出し音源集。ようやく、という気もしますが。幅広い時期から集められたようで、クレジットには、バーニーの奥さまの名前も見えます。

ブーツィーに関しては一曲のみ、ボーカルのみで。
Bootsy Collins, Michael Moon Reuben, Ouiwey Collins, Buckethead
Featuring として名前が前に出ていますが。
Michael Moon Reuben という方が、ギター、ベース、シンセプログラム、それにプロデュースだそう。これが元々からの演奏なのか、今回の最終仕上げのリミックス・差し替え的な演奏なのかは不明です。

他にもホーン等で、古くからPファンク関連で見かける名前が散見されて。
サックスの Darryl Dixon という方は、バーニーの “Improvisczario” や Baby Elephant “Turn My Teeth Up!”(共に2007年)、“Standards”(2011年)といったアルバムにも参加していました。
また、Science Faxtion(2008年)の Tobe Donohue とかの名前もあり。

いつ頃の何のための録音なのか、お蔵入りしたものか、途中で放り出されたものなのか。クレジットからは判りません。
バーニーのプレイもさほど目立つものではなく。ファンカデリックの未発表曲まで収められているこの音源集の中では、他にもっと聴きどころがあるかというところ。
バーニーとブーツィーの名コンビぶりならば、きっともっと聴きたいものが山ほどあるはず、、、



2024年7月7日日曜日

Gov’t Mule “The Deep End Volume 2”

Hammer And Nails

2002年。ボーカル&ギター担当とドラム担当の二人組、というガヴァメント・ミュール。曲毎に異なるベース・プレイヤーをゲストに迎えたというアルバムの Vol.2 に、ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello が。

Vol.1 の方にはブーツィーとバーニーが参加した曲あり。
元はバラ売りだった1と2を合わせてパッケージしたそのジャケット裏面では、ベーシストの名前が24人、それにキーボード等のゲスト19人がずらり並んで掲載。

ゲストは大勢とはいえ、どの曲にしても、まず主役ありきという基本ポジションは固定のよう。昔ながらのロックといいますか、力んで歌うボーカルとギターが変わりばえもせず。どの曲も同じ、、、ベースを中心に置いた演奏やアレンジは、、、ボーカル&ギターが引っこんでいる方が、、、

ミシェルの参加した曲はゆるいレゲエ風味の味つけで、8分ほどもある長さ。ベースとして曲の土台を支えるプレイを続けつつ、どこで音数をぶち込もうかとうかがっている様子。
ギターとキーボード(これがジョン・メデスキ John Medeski によるもの)が、やかましく上を塞いでどきませんし。ジャズのようにはスマートにいかない、もっさり具合が好みの分かれ目。

なお、Vol.1 と Vol.2 を合わせた上にオマケのディスクを加えたCD三枚組のパッケージでは、全体で5曲も参加しているのが、バーニー・ウォーレル Bernie Worrell 。結局はバーニーが一番賢い、ということに。



2019年11月4日月曜日

James Blood Ulmer “Blue Blood”

2001年。鍵盤にバーニーとアミナ・クローディン・マイヤーズ(Amina Claudine Myers)、ドラムはジェローム・ブレイリー(Jerome “Bigfoot” Braily)、プロデュースはウルマーと共同でビル・ラズウェル(Bill Laswell)。

ビルとウルマーのつきあいもこれで3作めとなります。
“America - Do You Remember The Love?”(1987)
Third Rail “South Delta Space Age”(1995)

とにかく強力な個性を持つジェームス・ブラッド・ウルマー。器にまとめるのがビルの仕事としても、そもそもが規格外というか、お皿からはみ出しているのがウルマーの魅力です。彼とやろうなどという白人が希少なのでありますが。

バーニーの出番が少なすぎなのも残念。ウルマーとバーニーのからみが聴きたいところですが。Pファンクとウルマーを結ぶ線(なんてカッコ良い言葉ですが)、はあまり期待せずに。

ウルマーのアルバムというのもけっこう数が多く。年齢も重ねて徐々に渋さも増していく2000年代以降、逆に、尖りに尖った1980年代のジャズ方面と、選択肢も多彩。
いずれも、ウルマーの個性が薄まるということはなく。誰とやるか、その時々で様々。


2019年3月17日日曜日

Live On Letterman (Music From The Late Show)

1997年。米国の有名番組から、名演ライブ14曲を収録したアルバム。
ここに選ばれた皆さん稀代の芸の持ち主ばかり。それがまたさらりと一世一代の代表曲を披露するのだから、心憎いばかり。
まことに米国のショービズ界とかエンタメ界の懐の深さでありましょうか。
It's diverse, positively upbeat and a charmer.
ライブ演奏のサポートとして、バーニーの名が2曲にも挙げられているのも嬉しい限りです。

この Late Show with David Letterman (1993–2015) や、Late Night with David Letterman (1982–1993) といった番組で、音楽監督を勤めていたのがポール・シェーファー。

彼の1993年のアルバム Paul Shaffer and The Party Boys of Rock ‘n’ Roll “The World’s Most Dangerous Party” では、ジョージ・クリントン親分とブーツィーがゲストに迎えられていました。
また1989年のアルバム “Coast to Coast” にも、クリントン親分にゲイリー・シャイダー、ベリータ・ウッズにアンプ・フィドラー等といった顔ぶれが参加した一曲が。コーラス隊として華を添える程度の参加ではありますが、ポール・シェーファー氏の好き者ぶりは充分にうかがえます。

番組にはもちろんPファンクの面々が出演した映像が多数残されています。中にはルー・リードとブーツィーが同じバンドで共演しているといった一幕も。他にも1982年にゲスト出演したJ.B御大とか。キリがないほどの宝庫です。


2019年1月2日水曜日

Stephanie Mills “Tantalizingly Hot”

1982年。全8曲中の5曲に、バーニーの名前がクレジットあり。
その5曲というのが、ジェームズ・エムトゥーメイ(James Mtume)とレジー・ルーカス(Reggie Lucas)のコンビによるプロデュースのもの。グループとしてのエムトゥーメイのメンバーの他に、バーニーに加えて、ベースにマーカス・ミラー(Marcus Miller)、ギターでアル・マッケイ(Al Mckay)といった名も見られます。

名人達による職人技の、百戦錬磨のノリが強力に(贅沢に)展開されます。
このサウンドを乗りこなすのが主役のステファニー・ミルズ。

彼女をエムトゥーメイとルーカスがプロデュースしたアルバムは、全部で4枚。最終作であるこのアルバム“Tantalizingly Hot”も強力ですが、先の三作品ももちろん強力です。
その3アルバムを2枚組のCDにがっちり収めたのが、2011年、Hip-O Select からリリースされたコレクション。こうなると強力無比であります。

“Feel The Fire - 20th Century Collection”(2011)


“What Cha’ Gonna Do with My Lovin'”(1979)
“Sweet Sensation”(1980)
“Stephanie”(1981)
の三作品に、さらに12インチ・シングルからの長尺曲もオマケに押しこんであるのだからやられます。
ソウルとファンク、あるいはディスコとか、アーバンにブラック・コンテンポラリーにポップスとか、そのような区分けや好みもひとまず置いて。エムトゥーメイとルーカスのサウンドにたっぷり浸れます。




2018年11月25日日曜日

Vynil “flea market”

“Summertime”
“The Code Is Cold”
“Haunted House”

2001年。ヴァイナルという名のインスト・バンド、2作めのアルバム。バーニー参加が3曲。
“Summertime” はジョージ・ガーシュウィンのあの有名曲、“Haunted House”(お化け屋敷)のどちらも共に7分を超える長尺曲で、レゲエのビートも活かされた凝ったもの。
“The Code Is Cold” は1分ほどのセッション演奏の断片。

他にレス・クレイプール(Les Claypool )をゲストに迎えた曲もあったりと、凝っているし真面目そうな演奏なのですが、どうも地味、少々ハッタリに欠けるかという印象もあり。
毒っ気やヤマっ気、色気みたいなものは人を踊らせるには大事であります。とPファンク好きはつい考えてしまいますが、あんな道化師バンドではないよと返されるかも。

アルバムのインナーには、タイトル通りにノミの市 “flea market” を描いたイラストが掲載。雑多な人物に売り物が並べられていますが、中にはレコード盤も。サンタナ(のキャラヴァンサライ)や、イエス、レッド・ツェッペリン、それにウッドストックが見て取れます。
このような記号の出し方にも真面目ぶりが感じられるような。単なるイラストレーターの勝手な遊びかもしれませんが。



2018年9月17日月曜日

Bernie Worrell “Free Agent - A Spaced Odyssey”

1997年。自由契約選手としてブーツィー以上にさまざまな場に出没するバーニー、5作めのソロ・アルバム。ジャケットのイラストを見ると、Magical Dragon にまたがってのバーニーの音の旅行記という想定でしょうか。

2曲のみをビル・ラズウェル(Bill Laswell)が副プロデュース。共演ゲストもバケットヘッドが一人目立つぐらい。
気ままながら、じっくりと聴かせる、落ち着いた一人旅であります。

全6曲ですが、曲と曲の間には鍵盤によるソロ演奏コーナーもたっぷりと配置されているので、曲数以上の内容が展開される流れ。90年代にはすでにビル・ラズウェルと共同でプロデュースした2つのアルバムがありますが、そこで上げられたハードルもけっこう高いですし。続く3作めとしては、これは少々地味めかもしれません。

この後、もしもビル・ラズウェルが2000年代に入ってバーニーとの次作を製作できていれば、どんなアルバムにまとめ上げたことでしょうか。
Magical Dragon にまたがってのバーニーというモチーフは、ヴァイナル(Vinyl )の “Fogshack Music Volume 1” にも登場することに。


2018年8月10日金曜日

Vinyl “Fogshack Music Volume 1 Featuring Barnie Worrell And The Rond Brothers”

2006年。ビニールとは、柔らかいプラスティックの総称らしいですが。こちらはトロンボーン、サックスの管楽器も含むインスト・バンドの名前。ビニールでもヴァイナルでも、検索向きとはいえない、ややこしいバンド名であります。

バーニー・ウォーレルとロンド・ブラザーズ(Rond Brothers)を含む、というサブタイトルのこのアルバムの説明も何やらややこしそう。プロデュースが誰で、リミックスがどうとか。バンドの他のアルバムとは違う企画ものなのでしょうか。

リミックスされていますが、曲はファンクやレゲエ等、真面目そうな演奏です。あくまでバーニーはゲストなのですが、聴きどころも多し。それだけに、せっかくだから、長丁場になっても、もう少しバーニーのプレイをじっくり聴きたいと思ってしまう部分も。ジャケットや中面のイラストではまるで主役扱いですし。

この絵柄をよく見ると、バーニーの肩ごしに二人組のシルエットの方が実は目立っていることに気づきます。これがロンド兄弟か。なにやら冥界のような仄暗い背景、すると手前のバーニーはすでに異界の住人、霊魂か。兄弟、黄泉の国に音の魔術士を訪ねるの図。実は怖い絵。


2018年8月6日月曜日

Marisa Monte “Mais”

1991年。マリーザ・モンチとアート・リンゼイ(Arto Lindsay)に釣られて、ファンク好きの多くがブラジル音楽の世界に引き込まれていったことと思います。そのきっかけとなった一枚がこれ。
マリーザ・モンチのこの後に続くアルバムはどんどんブラジルとかバイーア度が高くなって、評価も高まりますが、ニューヨークとブラジルにまたがって制作されたというこのアルバムの持つバランスや気軽さも変わらずに魅力的であります。

全12曲中、バーニーの鍵盤とメルヴィン・ギブス(Melvin Gibbs)のベースの組み合わせが聴けるのは4曲。アート・リンゼイのノイズも、それに坂本龍一も聴けますし。
北米と南米とか、フォーキーな曲とファンクな曲とか、聖と俗とか。
このアルバムの魅力は今も尽きません。

それに今やほんとに身軽になったバーニー、カリブ海から赤道といったこの辺りをよく飛びまわっているらしいです。

2018年6月15日金曜日

Nicole Renée “Nicole Renée”

1998年。歌うだけでなく、プロデュースにアレンジ、作詞作曲も自分で手がけるというニコール・レネーが唯一残したアルバム。
これがデビュー作であるわけですが、バックの参加メンバーにひと癖ある顔ぶれが見受けられます。

なんといっても全15曲中のアタマの6曲に、バーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)が。
加えて、2曲のベースがダグ・ウィンビッシュ(Doug Wimbish)だったり、ドラムにスティーブ・ジョーダン(Steve Jordan)やウィル・カルホーン(Will Calhoun)の名前があったり、という具合。

プレイとしては、さほどバーニーが目立っているわけではありませんが、このアタマの6曲が印象的。これでひとかたまりのヤマ場、勝負どころになっているような。
プロデューサーでもあるニコール・レネーのボーカルも、アルバム後半の残りの曲と比べて強力に聴こえます。

この声はクセがあると評して良いでしょう。例えばジョージ・クリントン親分ならば、どのように料理するでしょうか。仮にPファンク・オールスターズの方で歌っていたとしても、それも充分に有りじゃないか、という声です。けっこうケッタイ、もちろんホメ言葉です。


2018年6月10日日曜日

Bernie Worrell “Pieces Of Woo:The Other Side”

1993年。バーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)、4作めのソロ・アルバム。同年の “Blacktronic Science” と同じく、共同プロデュースはビル・ラズウェル(Bill Laswell)。
バーニーの鍵盤による音宇宙を、黒い科学と名づけてパッケージした “Blacktronic Science”。その一枚では収まりきらない広大な魅力を、さらにカバーしようとした、断片:違う側面というタイトル通りのアルバムです。

ドラムにベースといったリズム、ボトムの編成はありませんが、フレッド・ウェズリー(Fred Wesley)による精緻なホーン・アレンジメントを幕開けに、ウマー・ビン・ハッサン(Umataro Bin Hassan)の語り、バケットヘッド(Buckethead)の生々しいギター、アミナ・クローディン・マイヤーズ(Amina Claudine Myers)のリリカルなオルガン等々。
全7曲のどれも、バーニーと招かれたゲスト・プレイヤー達との絡みが聴きどころです。

各自、各曲が等しく断片となって、バーニー独自の美しく、禍々しい、ストレンジといわれる音宇宙を積み上げていきます。
やっぱり “Blacktronic Science” が詰まっていますし、それをPファンクと呼んでも構わないでしょう。じっくりと楽しませてくれます。


2018年3月21日水曜日

Sly & Robbie “Language Barrier”

1985年。スライ&ロビーのこのアルバムは、レゲエという枠を越えて世界に売り出そうと制作された、3枚のアルバム中の最初の一枚。プロデュースはビル・ラズウェル(Bill Laswell)。
バーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)を始めとして、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、マヌ・ディバンゴ(Manu Dibango)、アフリカ・バムバータ(Afrika Bambaataa)といった多彩な名前がゲストとして並んでいます。ギターでマイケル・ハンプトン(Michael Hampton)も。

バーニーの名前がクレジットされているのは2曲。
これがアルバムの顔となるようなオープニングとエンディングの曲で、特に締めくくりを飾る曲 “Get To This, Get To That” は、バーニーのものではないかと思われる歌声まで聴ける好曲。12インチ盤にはダブ・リミックスまで収録されており、このようなバージョンもまとめてオマケにして再発していただければ良いのですが。

ハービー・ハンコックとの1983年の “Rockit” でヒットを飛ばしたビル・ラズウェルのプロデュース業ですが、同じ年のノナ・ヘンドリックスのアルバム “Nona” には、ビルとバーニーの名前が別個ですがすでに見受けられます。
そしてスライ&ロビーの1987年のアルバム “Rhythm Killer” が、再びビルのプロデュース。バーニーに加えてブーツィーまでもが参加することに。
バーニーとビルのつきあいはその後も長くずっと続きます。


2018年2月12日月曜日

Colonel Claypool’s Bucket of Bernie Brains “Big Eyeball in the Sky”

2004年。プロデュース、ベースとボーカルにレス・クレイプール(Les Claypool)、ギターにバケットヘッド(Buckethead)、ドラムにブレイン(Brain)、そして鍵盤がバーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)という顔ぶれ。
ブーツィーも参加していたバケットヘッドのアルバム “Monsters & Robots”(1999年)を始めとして、バーニー以外の三人は幾度か共演を重ねている間柄です。

くせ者、変わり者、変態などと称されることも多いプレイヤー達でありますが、ノリの良さは確か。このアルバムでも、独特のスピード感溢れるプレイを楽しませてくれます。

バンド名というか名義が “クレイプールによる〜” ですから、白人らしいロックのアンサンブルであります。あのプライマス(Primus)とプラクシス(Praxis)の合体、と言いますか、ここにバーニーがどのように絡んでいるのか聴きどころ。
この手の音が好きなのは少々マニアックなロック・ファンではないかと思いますが、ファンク好きもぜひ一度。

2017年11月5日日曜日

O.G. Funk “Out Of The Dark”

1993年。ビリー “ベース” ネルソン(Billy “Bass” Nelson)も、ファンカデリックのオリジナル・メンバーだった一人。
加えて、他にはバーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)、ジェローム・ブレイリー(Jerome "Bigfoot" Braily)といった(かっての)Pファンクの面々も参加したアルバム。
ビル・ラズウェルが共同プロデュース、タル・ロス(トール・ロス、Tal Ross)のソロ・アルバムに大きく絡んでいた Peter Wetherbee なる人物の名前も見えます。

ビリーを主役に立てたファンカデリックの(本家ではない一部の)再結成バンドという位置づけになりましょうか。
曲はストレートにファンカデリック。オマージュとかカバーというより、俺達の作った曲、スタイルという主張も強く。オリジナル、というバンド名の通りです。

今となっては、そのオリジナルという一言がポイントでしょうか。Pファンク好き向けだろうと、そうでない人向けだろうと、魅力あるオリジナルの音を発しているかどうかです。
例えばタル・ロスのサウンドと、やっぱり比べられたりしますし。

2017年8月15日火曜日

Doug Wimbish “CinemaSonic”

2008年。ダグ・ウィンビッシュ(Doug Wimbish)の、“Trippy Notes For Bass” (1999) に続く2つめのソロ・アルバム。
いつものエイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood)、スキップ・マクドナルド(Skip McDnald)、キース・ルブラン(Keith LeBlanc)といったメンバー。

最初のソロ作 “Trippy Notes For Bass” がダブ・アルバムとすると、こちらは一曲毎に多彩な曲調が展開します。タイトルからすると、映画のさまざまなシーンを彩るサントラのような想定なのでしょうか。とはいえ、やっぱり曲の後半にダブなサウンド・エフェクトが噴出したりしますけれど。

“Jungle Funk” に収録されていたスタジオ録音版の曲 “Trance” も再び再演。アルバムに合わせて派手めな曲調になっています。
それから、バーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)が一曲、“Special Request” に参加。シスター・キャロル(Sister Carol)がボーカルの、レゲエとファンクが合体したバーニーらしい曲ですが、絶妙にダブがからんできます。


2017年5月1日月曜日

Sacred System “Nagual Site”

1998年。こちらもビル・ラズウェルのプロデュース、ベースにキーボードなども。ベースにはジャー・ウォブル Jah Wobble、コルネットでグラハム・ヘインズ Graham Haynes も参加。Gulam Mohamed Khan なるボーカルもいて、塩辛い声で唸りますし(Harmonium, Voice とクレジット)、ビル独自のダブ・サウンドの中でも民族音楽色が目立つ一枚か。
バーニーのキーボード、オルガンも聞けますが、あまり表立った活躍ではないです。

Sacred System という名義ですが、ROIRレーベルに残したダブ・アルバムとは直接的な関係はないかと思いますが、どうでしょうか。


2017年4月30日日曜日

Bill Laswell “Version 2 Version : A Dub Transmission”

2004年。ニューヨークのレーベル ROIR に、ビル・ラズウェルが残した5作のダブ・アルバムの内、これは最後のひとつ。先の4作がアルバム名からいっても連作的な感じがするのに対して、これだけは追加されたようなタイトルです。
4作でまとまったものを、補完するような、次へつなぐ(Transmission)というような。

プロデュースはビル。全6曲中、4曲がジャー・ウォブル(Jah Wobble)との共作で、これにバーニー・ウォーレルも参加。バーニーとダブ? とも思いますが、アルバムの中盤では、なんだかファンカデリックな歪んだギターがふと聴こえてきます。
これはビルでしょうか? このギターのためなのか、バーニーがいるからなのか、70年代初期のあのファンカデリックを思い出させてくれる場面があります。わずかな時間ですが、ダブの場合、こういった瞬間が大事です。

Bill Laswell - bass guitar, guitar, producer
Jah Wobble - bass guitar
Chris Cookson - drum programming
Bernie Warrell - keyboard
Karsh Kale - drum, tabla
Abduo M’Boup - percussion


Fanu + Bill Laswell “Lodge”

2008年。このアルバムは Fanu という方のビートとビル・ラズウェルのベース、ダブ・サウンドを組み合わせたコラボ企画。ビルとバーニーのつきあいはずっと続いていて、ここでもサポートしています。

DJ、プロデューサーであるFanuのビートというのが、ドラムンベース。レゲエでいうドラム・アンド・ベースではなく、90年代に流行った高速なアレの方。2008年のより複雑なビートによって、疾走するダブ・サウンドが聴けます。

そこに乗っかって、人工的で未来的、まるで無国籍なSF映画に似合いそうな彩りを添えるのが管楽器と鍵盤の役目。バーニー・ウォーレルを始め、グラハム・ヘインズ、ニルス・ペッター・モルヴェルらのプレイが控えめながら、すっと斬り込んできます。 

Fanu - drum programming
Bill Laswell - bass guitar, effects, producer

Graham Haynes - cornet
Nils Petter Molvaer - trumpet
Bernie Warrell - keyboard