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2026年7月30日木曜日

THEESatisfaction “Earthee”

Universal Perspective

2015年。ジーサティスファクション。歌ったりラップしたり、米国はシアトルの女性二人組。
ボーカルも含めて全体に攻めるような尖ったような調子がなく。ふわっとしたシンセの音とか、何気なく流しても気持ち良い感じ。
とはいえ、なにか意思は伝わってきます。歌詞が大事という評も見かけました。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello は一曲にベースで参加。
アルバムの中ではわりと輪郭のはっきりした、シングル向けっぽい曲ですが。曲のボトムを支えつつも、裏方仕事に徹して前に出てくることはなく。

このアルバムにハマる人は多いような。妙な中毒性というか、いつのまにかリピートしていた、みたいな。そうすると、このジャケットの絵柄にも納得したりして。好きなアロマやお香を焚いたりして聴くとか。



2026年6月27日土曜日

Buika “Vivir Sin Miedo”

Mucho Dinero

2015年。ブイカ、もしくはコンチャ・ブイカ Concha Buika は、スペインはパルマ・デ・マヨルカ(マジョルカとも)生まれの歌手。フラメンコが軸に有って、などといわれておりますが、さほど構えなくてもR&Bやジャズ、レゲエ好きであれば聴けるかなという取っつきやすさ。情熱的ですけど。

このアルバムもマイアミとロンドン、それにニューヨークやマドリッドでも録音と記載されている通りに、いろいろな曲があって楽しく。英語とスペイン語が混ざって歌われているようです。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello は一曲にベースで参加。アルバムの中では目立たない曲でしょうか、ベースもこれかなという程度で聴こえるぐらい。

フラメンコといえば自分には縁遠い世界のものであります。たまたまですがこのアルバムを聴いた際に思い出したのが、マイルスのやったアランフェス協奏曲で。それしか知らないですし。
それで、このアルバムをブイカと共にプロデュースした人物、マーティン・テレフェ Martin Terefe がこの後に、アルバム「ビッチェズ・ブリュー」の50周年を記念しての企画に深く関わって、そのトリビュート作品としてアルバム “London Brew”(2023年)をまとめたと知り。



2026年5月29日金曜日

Terri Lyne Carrington “The Mosaic Project: Love And Soul”

Imagine This
Get To Know You

2015年。テリ・リン・キャリントンはジャズ畑を中心に、高名な方々とさまざまに共演しているドラマー。一方で作曲や時には歌ったりと自分のアルバムも数多く発表して、幅広い活躍ぶりを見せています。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello とは互いにゲスト参加したアルバムのいくつかで、すでに共演済みという間柄。
こちらの全曲に女性ボーカルを招いた歌ものアルバムでは、ミシェルは2曲でベースをプレイ。

ベテランの歌手も多く、しっとりと落ち着いた歌が楽しめるアルバムであります。
“Imagine This” の歌はナンシー・ウィルソン Nancy Wilson を主に、バック・ボーカルでレイラ・ハサウェイ Lalah Hathaway も。“Get To Know You” の歌はレデシー Ledisi と、実力派のボーカルを邪魔することなく、ミシェルのプレイは(いつも通りに)的確に曲を支えております。

同じような歌ものアルバムとしては、例えばロバート・グラスパーの Robert Glasper Experiment “Black Radio”(2012年)がありますが。
あれほどアルバム一枚を通してトータルな仕上がりにはまとめ上げておらず。
こちらは、もっと歌伴というか普通にボーカルを聴かせるというか。そこはピアニストとドラマーの違いもあるのかもしれませんが。

もちろん歌手だけでなく、演奏陣の方もそれぞれの個性が活かされていて。
例えばミシェル以外にも、強力な女性ベーシストが2名参加しており。ロンダ・スミス Rhonda Smith(5曲も)、リンダ・メイ・ハン・オー Linda May Han Oh(4曲も)、どちらも巧みなプレイぶりを聴かせて目立っております。
ミシェルが2曲のみですから、では一曲ぐらい歌っても良かったのかも。歌手の皆さんの顔ぶれも相当なものですけれど。ともかく、これもテリ・リン・キャリントンの采配でありましょうか。二人はこの後も共演します。



2026年4月30日木曜日

Anthony Joseph “Time”

2013年。アンソニー・ジョセフは、詩人、作家でありシンガー。カリブ海は小アンティル諸島のトリニダードに生まれ、英国、欧州を中心に活動とのこと。

このアルバムも全曲を自作、ポエトリーリーディングをしております。
サウンドの方はミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello が全面的にサポート。コンポーズにアレンジ、それにプロデュース、加えてベースをプレイしております。

となると、ジャマイカに生まれ11歳の時にロンドンのブリクストン地区に移住した、というリントン・クウェシ・ジョンソン Linton Kwesi Johnson を思い起こしますが。
で、リントンのダブポエトリーを支えたのがデニス・ボーヴェル Dennis Bovell のサウンドでした。彼はバルバドス出身、12歳でサウスロンドンに移住。
リントンが英国に移住したのが1963年、アンソニー・ジョセフといえば1989年だそう(ウィキペディアより)。

なんともこれはミシェル達の演奏の方ばかりに耳がいってしまいます。
やはりアール・ハーヴィン Earl Harvin のドラムでしょうか。一打一打が強力で印象に残ります。ジェフ・ベックとか宇多田ヒカルとか、ミシェルのアルバム “Comet, Come to Me”(2014年)でも叩いております。
ギターにはおなじみの Christopher Bruce (Chris Bruce) も。彼はミシェルとは長いつきあい、“Devil’s Halo”(2009年)から現在までのミシェルのすべてのアルバムに参加している人物。
また鍵盤のジェビン・ブルーニ Jebin Bruni ですが、こちらもアルバム “Pour une Âme Souveraine: A Dedication to Nina Simone”(2012年)(ニーナ・シモン追悼作)からミシェルのすべてのアルバムに参加している人物。

ベースのリフが強力にドライブするファンクや、アフロっぽいの、ブラジルっぽいの、ドラムとパーカッションのみ、とさまざまなトラックが見本市のように並んで。飽きさせないように、という趣向でしょうか。
翌年のミシェルのアルバム “Comet, Come to Me”(2014年)とはプレイヤーの多くが重複しておりますが、こちらの方が単純にリズミカルなトラックが多く。

その “Comet, Come to Me” にまつわる2014年の来日公演では、こちらに収録されている “Hustle To Live” を披露したというライブ・リポートが有り。歌うはミシェル自身ですが、まさにミシェルのアルバムに収録されてもおかしくないようなファンク。このカッコ良いベースは Christopher Bruce (Chris Bruce) によるプレイとクレジットが有り。

“Comet, Come to Me” といえばいつも通りにミシェルの挑戦的な姿勢が楽しめるアルバムではありました。とはいうものの、円熟味、あるいは余裕、ちょっとした手練れ感も感じられるような。そんな微妙な線は置いておいて、こちらは単純にダンサブルに楽しめるのではないかと。アンソニー・ジョセフの詩の内容は別にして、ですが。

2026年4月19日日曜日

Benji Hughes “Songs in the Key of Animals”

Shark Attack
Peacockin’ Party
Freaky Feedback Blues
Longshot

2016年。ベンジー・ヒューズとカタカナ表記すれば良いようですが。米国はノースカロライナ出身のミュージシャン。
彼はミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello のアルバム “Weather”(2011年)に参加していて。ボーカルにピアノ、それに曲を提供したり。三曲に名前がクレジットされて(採用されて)いるのだから、なかなかの貢献ぶりでしょうか。

その “Weather” や “Devil’s Halo”(2009年)といったミシェルのアルバムに参加していたのが、鍵盤の Keefus Ciancia という方。この方が、先立ってベンジー・ヒューズのデビュー作 “A Love Extreme”(2008年)にプロデュース他で大きく関わっていたようで、この辺りからベンジーとミシェルがつながったのではないかと思われますが。
“Weather” の(プロデュースはジョー・ヘンリー Joe Henry でしたが)副プロデュースが Keefus Ciancia でしたし。

で、ベンジー・ヒューズのこのCD二枚組みのアルバムですが、ミシェルは4曲でベースをプレイ。特に前に出てくるわけではありませんが、小気味よく曲をドライブさせております。
また “Girls Love Shoes” にもボーカルと一応クレジットされていますが、これは何人かと混じって声を発しているのみで。

このアルバム、元々は2014年に他のアルバムとセットにした形でベンジー・ヒューズ自身のサイトからセルフ・リリースされていたそう(ウィキペディアより)。それが曲順を変えたりした上で単体で販売、入手しやすくなって。

ジャケットのイラストを見る限りは、これにそそられるかな?というデザインですが、肝心の音は(ミシェルの参加とは関わらずに)なかなかに楽しませてくれるもの。
ロックな曲をさらりと軽やかにやっています。
個人的には、しばしば(特に Disc 1 など)グラムの頃のボウイを思わせたり。
きっとネタというか音楽的な素養をまだまだいろいろと持っているのでしょう。



2026年3月8日日曜日

Mark Guiliana “My Life Starts Now”

Strive

2014年。マーク・ジュリアナは米国はニュージャージーの生まれ、新世代を代表するとの呼び声も高いドラマー。このアルバムも曲としてはレゲエだったりギターがうなったり、あれこれビートが展開しますが、すべて人力のドラミングとのこと。
シンプルに、スマートに、凝ったビートを聴かせるジャズ系ドラマーのソロ作でありましょうか。

単純にバカテク自慢ではないにしても、ずっと叩いております。
これ聴くというよりは、ビートに合わせてギターを弾いてみたりドラムの練習したりと、そんな使い方にも適しているような。実際のところ、プログラムでもサンプリングでも(気持ち良ければ)構わないのですが。なるほど大した芸ではありますが、ちょっと途中で、もっとローカルのいなたいレゲエやダブ、ブルースの粗っぽいリフなんかが聴きたくなったりして。雑味たっぷりの、そっちの気持ち良さが。
それとCD盤は米国と日本のみ、これは配信が主でしょうか。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello は一曲に参加、ぶつぶつ呟いているだけですが。
ミシェルはジェイソン・リンドナーのアルバム Jason Lindner “Gives You Now Vs Now”(2009年)で共同プロデュースの一人として名を連ね、ベースをプレイもしましたが、そこでのドラマーがマーク・ジュリアナでした。
鍵盤のジェイソン・リンドナーとマーク・ジュリアナの二人は、共にデヴィッド・ボウイのあのアルバム(2015年)に参加したわけですけども、もしももしも、ひょっとしたら、ボウイとミシェルの共演もあったかもしれないと思うと、なかなか楽しく。



2026年2月8日日曜日

Ruthie Foster “Promises of a Brand New Day”

2014年。ルーシー・フォスターはテキサス州出身の歌手。14歳でソロイストとして地元のクワイア(合唱団、聖歌隊)で歌っていたとのこと(ウィキペディアより)。

ゴスペルにブルース、フォークとさまざまな曲が並んでおりますが、主役は歌声。言ってしまえば、聴きやすい薄口のメイヴィスといったところですが、しっかり揺るぎなく。“Promises”(約束された)というタイトルにこめた確信に揺るぎなく。

アルバムのプロデュースはミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello が。ベースも担当しておりますが、渋いプレイに徹してバンドの屋台骨を支えております。
どちらかというとギターの Christopher Bruce (Chris Bruce) の方が目立っているかも。彼はミシェルとは長いつきあい。“Devil’s Halo”(2009年)から現在までのミシェルのアルバムにすべて参加している人物で。
またギターではブルースな一曲にドイル・ブラムホール2世 Doyle Bramhall II も参加。彼はミシェルの “Comfort Woman”(2003年)でもゲストとしてバリバリと弾き倒しておりました。

特にアルバムの前半では、ドラムやギターが大きめのバンド・サウンドが鳴っていて、歌を盛り上げておりますが、出すぎるということはなく。
ザ・ステイプル・シンガーズ Staple Singers も(STAX期の1968年に)カバーした “The Ghetto” を取り上げていたりも。オリジナルはデラニー&ボニー Delaney & Bonnie のソウル・クラシック。

ちなみにジャケットの裏面には、(曲目が並んでいるだけで)ミシェルの表記はなし。自分の名前や存在も出すぎては主役の邪魔になるといわんばかり。そういう契約だったのか、ともかく理由は不明ですが。



2026年1月27日火曜日

Jason Moran “All Rise: A Joyful Elegy For Fats Waller”

2014年。テキサス州の大都市ヒューストンの生まれ、というジェイソン・モランは米国ジャズの鍵盤奏者。このアルバムはファッツ・ウォーラーへのトリビュート作品。

ファッツ・ウォーラーは大雑把に1940年以前とか第二次世界大戦以前と括られる、アーリージャズ期のピアニスト。ここからモダンジャズにもつながるという前段のパイオニアの一人でもあります。
ジェイソン・モランは同じピアニストとして共感や憧れ、自負もあるのでしょう。

軽やかなピアノが小気味良く、けっこうベースがズビズビいくという、聴いて心地良いアルバムです。
軽すぎずシリアスすぎずで、ジャズしか聴かないみたいなファンだけでなく、もっと広くの皆さんに楽しんで欲しいという意向が伝わってきます。今どきの録音ものですから、細かな音が鳴っていたりと、ヘッドフォンで聴いても楽しく。

プロデュースはドン・ウォズ Don Was とミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello によるもの。
ドラムとベースはジェイソン・モランとはお馴染みのメンバーですが、ここではいつものバンドワゴン The Bandwagon というバンド名は使用せず。
サックスでスティーヴ・リーマン Steve Lehman も参加、ミシェルはすでに彼のアルバム Steve Lehman “Demian As Posthuman”(2005年)に参加しており。またエンジニアとしてミシェルとは旧知のボブ・パワー Bob Power の名前も。

ミシェルはいくつかの曲で歌っており。
もう一人の女性ボーカルと(似たような声で)渾然一体となって歌っていたりと良い感じ。
“Ain’t Nobody’s Business” ではミシェルが一人できっちりと歌っていて。バンドも単なる歌伴という以上に主張して、彼女らしく暗くて美しい仕上がりに。

歌詞を見ますと、さまざまな立場の、だけど少数派、弱者である側から歌われた歌詞でしょうか。ファッツ・ウォーラーには(このアルバムには入っていませんが)他にも “(What Did I Do to Be So) Black and Blue” という曲があって。
「こんなにブラックでブルーになるなんて俺が何をしたってんだ」とルイ・アームストロングも歌った有名曲。毒づいているような、嘆いているような。タイトルの “Black and Blue” には殴られて青アザだらけという含みがありますし、もちろん黒人で悲しいとも取れますし。
ミシェルとしては当然この辺りにも賛同しているでしょうし、それはまた主張でもありましょうか。

もしもミシェル一人だけのプロデュースであったのなら、どんな音のアルバムになっていたでしょうか。ドン・ウォズはブルーノート・レコードの社長(2012年1月から就任)ですから、商売抜きというのもあり得ずで。
例えば選曲が違ったとか。この “Ain’t Nobody’s Business” を聴くと、そんなことも思いますが。

なおライナーノートの内側には見開きで写真が。なにやら暗号めいた英字が掲載されておりますが、ファッツ・ウォーラーには “Your Feet’s Too Big” という曲があり。




2025年12月30日火曜日

Robert Glasper Experiment “Black Radio”

The Consequences Of Jealousy

2012年。米国の鍵盤奏者であるロバート・グラスパーの、全曲にゲスト・ボーカルを招いた歌ものアルバム。彼の名前を一躍高めて、続編も第3作まで制作されたヒット作。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello も一曲にボーカルで参加。
ドラムを担当したクリス・デイヴ Chris Dave とは、ミシェルはもう幾度も共演済みのお馴染みさん。
彼はミシェルのアルバム“Comfort Woman”(2003年)で全曲のドラムを叩いており。
ミシェルのプロデュースした “The Spirit Music Jamia: Dance Of The Infidel”(2005年)でも、アルバムの半数の曲のドラムを任されていて。

他にミシェルがゲスト参加した単発でもいくつか。
ドリー・パートン Dolly Rebecca Parton へのトリビュートである “Just Because I’m A Woman - Songs Of Dolly Parton” や、チャーリー・パーカー・リミックス・プロジェクトの “Bird Up - The Charlie Parker Remix Project” といったアルバム(どちらも2003年)。
そして英国のバンドであるレディオヘッド Radioheads のカバー集 “Exit Music: Songs with Radioheads”(2006年)では、Me’Shell NdegéOcello & Chris “Daddy” Dave と連名の名義にて曲を提供、すっかり気心の知れた仲に。

ロバート・グラスパーとも、すでにマイロンのアルバム制作できっちり共演済み。Myron “Myron & The Works”(2008年)

広くに売れたアルバムです。ピアノの音も美しく、まずはジェントル、温かな、オシャレめ、なんて印象を受けるでしょうか。
ミシェル自身の作品にもこんなヒットがあればな、とは思うものの。

ミシェルがここで歌った曲は、タイトルを直訳すると「嫉妬した末に」、ミステリ風なら「嫉妬の顛末」、昭和歌謡風なら「涙のジェラシー」ですか。
ささやくようなつぶやくような声で歌っております。いろいろな感情が渦巻いているような詞、曲であります。夜明けも近いのかまだ遠いのか、あまり万人に受ける方ではないような役割りを担った曲で。

さてアルバム・タイトルですが、やはり Black Radio Station を意識したものと思われます。こちらはラジオ局といえばあれ、We-Funk を思い浮かべてしまう耳ですが。



2025年12月21日日曜日

Victor Wooten “Word And Tone”, “Sword And Stone”

Get It Right

2012年。ヴィクター・ウッテンは米国の有名ベース弾き。最高水準の超絶技巧を操るとの評価も高く。
“Word And Tone” は全曲がボーカル有りの歌ものアルバムで、これと対になる “Sword And Stone” の方はボーカル無しの基本インスト版。それぞれに独自の曲も有って、両者はバラ売りかセット売りか選べて。

以前のアルバム “Yin-Yang”(1999年)も同じような歌もの&インストの二枚組でした。
ゲストに招かれたブーツィーが、一曲(“What Crime Is It?”)を歌っていたり。その後もお互い交流を深めていく始まりとなりました。

それから10年以上を経ての、こちらはベテランの落ち着いた安定作といえるアルバムでしょうか。
ボニー・レイット Bonnie Raitt の名バラード “I Can’t Make You Love Me” のカバーも収録。ほどよくジャジーな大人のアレンジで(これはインスト版はなし)、かってプリンスも歌っておりましたが(やっぱり女性ボーカルが安心な)この曲を始めとして、スティーヴィー・ワンダー Stevie Wonder の “Overjoyed” など(これもインスト版はなし)穏やかめの歌が多く。
歌の後ろではベースがブンブンと走っていたりしますけれど。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello も一曲に歌とベースでゲスト参加。沈みこむようなファンクに呟くボーカル、渋いです。
アルバム “Sword And Stone” に収録のボーカル無しインスト版の方では、ボーカルに代わってホーンがメロディを歌っており。ミシェルのベースがもっと長く(ソロ・パートとか)聴けるとかいうこともなく。それぐらいの違いがあると良かったのですが。

このアルバムで、ちらほらとスライを思わせるようなところがあるのですが、案外に、ヴィクターにスライというのは似合うのかも。



2025年12月10日水曜日

Miguel Migs “Outside The Skyline”

Tonight
Close Your Eyes

2011年。ミゲル・ミグスは米国のDJ。ディープ・ハウス系とのことで、フロアで踊らせるだけでなく座って聴かせる系でもあるとのことで。
全曲にボーカル入りのこのアルバムも、要は歌もの。とてもオープンな空気感で、特別に音楽好きでない人にもすっと聴かせる親しみやすさ。ドライブ向けでしょうか。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello も二曲で歌っております。どちらもミゲル・ミグスとの共作で、ミシェルの歌を活かしたもの。サウンドに溶けこみながら、声の個性も消さずというバランス。
もっとダブっぽい処理やエコーをしていてもさらに好みだったりしますが、そこまで専門的にしないのが特長でもあり。

ミシェル本人は意識しているのかいないのか、2010年代にもなったこの頃には数少なめのポップ畑にぐっと寄ったお仕事であります。
この時期、クレイグ・ストリート Craig Street によるプロデュース仕事にも密に携わっていたミシェルでありますが、やはりこれも歌を聴かせる仕事なのは同じでしょうか。
ボーカル・ゲストとしてはミシェルの他にも、ハーフ・パイント Half Pint やフレディ・マクレガー Freddie McGregor といった、レゲエ畑から起用された名前も目立ちます。

ミシェルはこの後も再度、ミゲル・ミグスのアルバム “Dim Division”(2014年)で一曲を歌いますが。ミシェルが目当てであれば、まずは二曲入りのこちらがお買得。



2025年11月27日木曜日

Laïka “Nebula”

Visions

2011年。ライカ(ライカ・ファティエン Laïka Fatien の名前でも)はフランスはパリ出身の歌手。
アルバムはミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello によるプロデュース。ミシェルはアレンジと、また一曲のみベースのクレジットもあり。

なぜこのスローな曲(スティーヴィー・ワンダー Stevie Wonder “Visions” のカバー)だけベースをプレイしているのかは不明ですが、好きで選曲をしたとか、案外、最初はゲスト参加のつもりが結局はプロデュースまで手がけたとか。
ミシェルのプロデュースといっても、ミシェル自身のアルバムで聴かれるような音ではなく。ここは裏方で応援、主役の舞台設定を整えてあげたような感じで。

聴いていて気持ちの良いアルバムです。ジャズ・ボーカルのアルバムには違いありませんが、もっと広くに聴かれて欲しいような。ミシェルの狙いとしてもそんなところなのかも。
ビョーク Björk の “Boga” もやっておりますが、テンポを落としてこれも聴かせるカバーであります。

ミシェルのこの時期のオリジナル・アルバム、“Devil’s Halo”(2009年)、“Weather”(2011年)に参加し、ミシェルを支えた顔ぶれがこちらの方でもプレイしており。
ドラムのディアントニ・パークス Deantoni Parks に、ギターの Christopher Bruce (Chris Bruce) や、鍵盤の Keefus Ciancia の三人。
それにミックス、マスターはボブ・パワー Bob Power による、というミシェル陣営の顔ぶれ。

ミシェルのプレイした一曲を除いて、基本のベースは The Roots のマーク・ケリー Mark Kelley が担当、ドラムにはケンドリック・スコット Kendrick Scott の名前も。
またホーンで、三曲にオリヴァー・レイク Oliver Lake が。彼の息子でドラムのジーン・レイク Gene Lake とミシェルは度々共演していてお馴染みでありますが。

この時期、クレイグ・ストリート Craig Street によるプロデュース仕事にも密接に携わったミシェルですが、その良い影響、大げさにいえば共振も聴かれるような。アルバムは日本版もあり。


2025年11月22日土曜日

Amy Cook “Summer Skin”

2012年。前年の2011年から発表された、クレイグ・ストリート Craig Street によるプロデュース、そしてミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello がベースで全面的に参加、という女性歌手のアルバム3種の、そのひとつ。

エイミー・クックは米国の歌手。クレイグ・ストリートのプロデュースしたアルバム3種の中では、彼らしいカントリー・テイストも溢れつつ、これがもっともロック寄り。ドラムとギターの音がでかく、なにより腹にぐっと力を入れて声を出しているボーカル。
ゲストには大御所のロバート・プラント Robert Plant も二曲に参加。超有名な方ですが、ミシェルとの組み合わせというのも意外で面白いところ。

今作ではところどころでサイケ風味も聴かれて。ジャケットを見ると、これもサイケなデザインに思えてくるような。
写真のエイミー・クック氏が化粧というかペイントをしていて、額から鼻筋に引かれた線が、なんだか昔の70年代初期のSF映画を思わせるような。
フェイス・ペインティングは、ミシェルもアルバム “Comet, Come to Me”(2014年)でやることに。ミシェルの場合、未来のSFぽくもあり原始部族ぽくもあるデザインで。

さて、クレイグ・ストリートと密に関わったミシェルでありますが、この時期のオリジナル・アルバムというのが、
“Devil’s Halo”(2009年)、“Weather”(2011年)、それに、“Pour une Âme Souveraine: A Dedication to Nina Simone”(2012年)(ニーナ・シモン追悼作)。

これらの3作品と、クレイグ・ストリートのプロデュースしたアルバム3種は、幾人かの演奏者が共通していて。例えばギターの Christopher Bruce (Chris Bruce) は、アルバム6種のすべてに参加していたり。

ミシェルのこの時期の3作品に加えて、その前の “The World Has Made Me the Man of My Dreams”(2007年)でもドラムを叩いていたのが、ディアントニ・パークス Deantoni Parks という方であります。
ミシェルの4枚ものアルバムで、最重要ポジションである、ドラムという大役を務めた実力と実績。ミシェルを支えた重要人物のひとりといえますが。

なのですが、このドラマーに限っては、クレイグ・ストリートのプロデュース作品には、どこにも名前がなし。
この方、とあるインタビューで、ポップにはまるで興味がなしと言いきっていた人物であります。見事に対象外というのを徹底しているようで。



2025年10月29日水曜日

Alyssa Graham “Lock, Stock & Soul”

2011年。この年から翌2012年にかけて発表された、クレイグ・ストリート Craig Street によるプロデュース、そしてミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello がベースで全面的に参加、という女性歌手のアルバム3種の、これもそのひとつ。

アリッサ・グラハムは米国の歌手。さわやかなクセのない声、カントリー・テイストをうまくフォーキーに仕上げて、ゆったりとしたメロディで。このアルバムは日本版も発売。
逆にクレイグ・ストリートということでは、彼らしいダークな面までも期待すると少々物足りないかも。夜半ではなく、良く晴れた日中にも聴ける作品ということで。

ミシェルが目当てとなると、また違う聴きどころが。
クレイグ・ストリートのプロデュースしたこちらのアルバム3種には、ミシェルだけでなく、この時期のミシェルのオリジナル・アルバムの制作に携わったバンドの顔ぶれも幾人か参加していて。

ミシェルのこの時期のアルバムというのが、
“Devil’s Halo”(2009年)、“Weather”(2011年)、それに、“Pour une Âme Souveraine: A Dedication to Nina Simone”(2012年)(ニーナ・シモン追悼作)。

ギターの Christopher Bruce (Chris Bruce) は、ミシェルのこの3作品と共に、クレイグ・ストリートのプロデュースしたアルバム3種にもすべて参加。
かってPファンク一派の若手バンド、インコーポレーテッド・サング・バンドの一員だったギター弾き。アルバム INCorporated Thang Band “Lifestyles Of The Roach And Famouth”(1988年)でもしっかり弾いています。
ミシェルとPファンクのつながりや、しかも相当に頼りにされたというのが嬉しいところ。

それどころか彼は、ミシェルの “Comet, Come to Me”(2014年)、“Ventriloquism”(2018年)、“The Omnichord Real Book”(2023年)、“No More Water: The Gospel of James Baldwin”(2024年)とその後も現在までアルバムに参加し続けているのが驚き。ミシェルの女房役なのか懐刀なのか、その変化にずっとつき合っているのは確かで。
彼の場合、ミシェルに限らずかなり広い範囲の音楽家の方々ともやっておりますが。

鍵盤の Keefus Ciancia も、“Devil’s Halo” と “Weather” に参加、そしてこちらのアリッサ・グラハムのアルバムにも。
クレイグ・ストリートとミシェル陣営はこの時期とても密だったようです。



2025年10月19日日曜日

Madeleine Peyroux “Standing On The Rooftop”

2011年。この年から翌2012年にかけて発表された、クレイグ・ストリート Craig Street のプロデュースによる女性歌手のアルバム3種に、ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello がベースで全面的に参加しており。その内のひとつがこちら。

マデリン・ペルーは米国の歌手。ジャズ系と紹介されることが多いようですが、つまりブルースからカントリーにロック、ポップスまで幅広く歌いこなすわけで。
その声や歌に、よく引き合いに出されるのがビリー・ホリデイ Billie Holiday の名前。本人も相当に意識しているようですが、嫌みは感じられず。

完全に歌が主役の、落ち着いたスロー系のアルバムですから、バンドのバッキングも過度に前に出ることはなく、ミシェルのベースも控えめですが、とはいえ。

ドラムはチャーリー・ドレイトン Charley Drayton で、しぶい仕事ぶりを多々見せる技巧派。一方で、キース・リチャーズ Keith Richards のソロ活動バンドや、ロベン・フォード Robben Ford のアルバム “Tiger Walk”(1997年)では、スティーヴ・ジョーダン Steve Jordan とバーニー・ウォーレル Bernie Worrell を相手にベースを担当したりも。
ギターの Christopher Bruce (Chris Bruce) は、かってPファンク一派の若手バンド、インコーポレーテッド・サング・バンドで活躍していたお方。アルバム INCorporated Thang Band “Lifestyles Of The Roach And Famouth”(1988年)でもしっかり弾いていました。
他にギターではマーク・リボー Marc Ribot や、またピアノでアラン・トゥーサン Allen Toussaint といった名前も。
ひと癖ありげな独特の顔ぶれでしょうか。マデリン・ペルーの自作の曲と共に、ビートルズやボブ・ディラン、ロバート・ジョンソンのカバーも交えながら、最後まで飽きさせません。

クレイグ・ストリートらしいダークさも良い塩梅で。彼のプロデュース作品でも、カサンドラ・ウィルソン Cassandra Wilson や、ミシェルのアルバムに比べれば、こちらは気軽に手に取りやすく。長く聴けるアルバムなのは同じ。


2025年9月28日日曜日

Lizz Wright “Fellowship”

Fellowship
Feed The Light

2010年。リズ・ライトは米国の歌手。ジョージア州出身で、ハイ・スクール時代は聖歌隊に参加だそう。
ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello はベースで二曲に参加。といっても特に目立つプレイではなく、正直、彼女でなくてもという音ですが。
“Fellowship” はミシェル作の曲で、彼女のアルバム “Comfort Woman”(2003年)に収録されていたオリジナル版はレゲエでした。それが少し重めのゴスペルに。

リズ・ライトは、ミシェルとは関わりが多いよう。

ミシェルのアルバム “Bitter”(1999年)をプロデュースしたのがクレイグ・ストリート Craig Street でした。リズ・ライトも彼をプロデューサーとして迎えて2ndアルバムを制作。
そのアルバム “Dreaming Wide Awake”(2005年)には、チョコレート・ジニアスの “Chasing Strange” という曲が収録されていて。
チョコレート・ジニアス Chocolate Genius Inc. 本人によるオリジナル版は “Black Yankee Rock”(2006年)というアルバムで聴けますが、このアルバムのプロデュースがクレイグ・ストリートであり、ミシェルもベースで参加で。

またリズ・ライトは、ザ・バンド The Band のトリビュート作に参加。
アルバム “Endless Highway: The Music of The Band”(2007年)に収録されたそのカバー曲 “Whispering Pines” では、ジェイコブ・ディラン Jakob Dylan とデュエット。プロデュースはジョー・ヘンリーでした。
で、ジョー・ヘンリー Joe Henry のアルバム “Scar”(2001年)をジョーと共同でプロデュースしたのがクレイグ・ストリート、でミシェルも一曲 “Mean Flower” のベースで参加で。
元々、ジョー・ヘンリーはクレイグ・ストリートがプロデュースしたミシェルのアルバム “Bitter” では、一曲 “Wasted Time” にボーカルで参加もしていました。

そしてリズ・ライトの3rdアルバム “The Orchard”(2008年)も、引き続きクレイグ・ストリート Craig Street によるプロデュースでした。
これにミシェルは参加しておりませんが、彼女を長年に渡って支え続ける懐刀である、Christopher Bruce (Chris Bruce) が全面的に参加。ギターにベースとミシェルに代わって活躍しております。 
そうして、この4thアルバム “Fellowship”(2010年)でミシェルと直接に仕事をしたという流れで。タイトルを直訳すれば、「仲間」「友情」「共同体」であります。

この後、リズ・ライトは、ミシェル自身のアルバム “Pour une Âme Souveraine: A Dedication to Nina Simone”(ニーナ・シモン追悼作、2012年)にゲストとして参加することに。“Nobody’s Fault But Mine” で歌っています。

なにかと接点が多いような。でもってリズ・ライトの新しいアルバム “Shadow”(2024年)では、再びミシェルがゲストに招かれています。



2025年9月14日日曜日

Karl Denson’s Tiny Universe “Brother’s Keeper”

2009年。カール・デンソンは米国のサックス吹き、兼ボーカル。
自身のアルバムや活動に加えて、ジャズ畑からロック・ポップス界隈まで数多くの(有名スター級の)方々との共演やバックを努めていて、幅広く活動している方のよう。

こちらは、自分の歌が主役のR&Bなアルバム。
全編、60-70年代のレトロなスタイルを重視したR&Bバンドといった趣きで。一曲めが、まるで往年のモータウンを思わせるような曲。まさにソウル歌手という線で歌っております。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello はベースで全面的に参加。
カール・デンソンとミシェルは、これまでいくつかのアルバムで、同じゲストとして参加し名を連ねたりもしていますが、同じ曲で直に共演というのはなかったような。
ミシェルのプレイはいつも通り間違いなく。バンドの一員として収まっていますが。

収まりすぎといいますか、それ以上、を期待するとなるとどうも。バランスが大事という見方もありますが、その点は刺激に欠けるかも。
歌のない、インスト曲が一曲だけあって。ベースのリフも走りますが、この曲ぐらいはもう少し各プレイヤーたちに暴れさせるとか。歌伴ではないバンドの見せ場があっても良いかも。

ミシェルもこの時期、モータウンやスタックス、アトランティック等の、60年代末のナンバーをけっこうカバーしていますし。せっかくだから(ベース弾きという以上に)彼女を活かして、何かもう一味、レトロ趣味にプラスしていただければ。



2025年8月17日日曜日

Jason Lindner “Gives You Now Vs Now”

Worrisome
Big Pump

2009年。米国ジャズの鍵盤弾き、ジェイソン・リンドナーのアルバム。
“Now Vs Now” とは、マーク・ジュリアナ Mark Guiliana のドラム、パナギオティス・アンドリュー Panagiotis Andreou(パナギオティス・アンドレオウ、パナジョティス・アンドリオウ、ギリシャ出身らしい)のベース、というトリオを核としたグループ名でもあるよう。
「ジェイソン・リンドナーがあなたに贈る NOW VS NOW」と表記されたジャケットは、白と黒の鍵盤をシンプルに表したものでしょうか。

涼しげなラテンや激しめのロックまで、色々とやってみたという感じですが、なにをどうやっても(変なドラムとかも)安定して聴かせる実力派たちであります。
この三人だけで演奏した曲というのは一曲のみですが、それには “Friendship and Love (aka Pretty Three)” とタイトルされております。仲が良いようです。

プロデュースはミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello で、それに(with とある)ジェイソン・リンドナーと Eric Elterman という方(録音等、エンジニア系のよう)。ミックスはボブ・パワー Bob Power が。

ミシェルは二曲の演奏にも参加。“Worrisome” にはベースで、“Big Pump” にはボーカルで。といっても途中で少しだけ登場してくるとか、歌うわけではなく少しコーラスを入れたという程度。この辺り想像すると、裏方仕事にこもらずに、ここでベースでもやってみたら、という感じで楽しげな録音だったのかななんて。

元々は、ミシェルのアルバム “The World Has Made Me The Man Of My Dreams”(2007年)中の一曲 “Headline” に、ジェイソン・リンドナーが鍵盤で参加し、共演していました。
なおジェイソン・リンドナーとマーク・ジュリアナですが、この後、共に、D. ボウイの遺作となるアルバム製作のセッションに参加することになります。



2025年8月14日木曜日

Myron “Myron & The Works”

2008年。マイロンなる方が全曲を歌いプロデュースも本人がというアルバム。
ジャケットのデザインからするとジャズ系、少し小難しそうな印象もありますが、フックの効いたわかりやすい曲ばかり。案外に、切ない系、夏の終わりにいかがみたいな。

全9曲、チャールズ・ヘインズ Charles Haynes のドラムに、ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello がベース、エレピ(ローズ、ウーリッツァー)でロバート・グラスパー Robert Glasper という顔ぶれ。その他のギターやシンセをマイロン本人が。

充分に、ディアンジェロ D’angelo 好きにもお勧めできるような、歌ものアルバムであります。バンドの演奏も楽しめますし。
もしもディアンジェロがもっと頻繁に、3年置きほどにアルバムを発表していたら、このような一枚もあったかも、とそんな気もしないでもないような。

シンプルにラヴソング、夏の夕暮れに、みたいな風情で、親しみやすいジャケットにしてアピールするのも似合うかも。
とはいってもこの顔ぶれですから、歌伴にとどまらずに、さらに自由な演奏も聴いてみたいところ。一曲ぐらいインストを入れるとか、もう少しジャズに寄せたような。

なお、CDトレイの内側にはギターを抱えたマイロンの写真が。お気に入りなのでしょうか、Tシャツの胸にはジミの顔が。
本国盤CDを見ると、この写真がジャケットに使用されています。ですが、モノクロ 二階調化されていて、その際に加工したのか、ジミの顔も消されて別の模様に差し替えられています。




2025年7月27日日曜日

Steve Lehman “Demian As Posthuman”

Vapors
Logic - Meshell
Community

2005年。スティーヴ・リーマン Steve Lehman はニューヨーク生まれのサックス吹き。ジャズ、それに実験的 experimental music と紹介されていますが(ウィキペディアより)。
ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello がベースで参加したのは3曲。ドラムはエリック・マクファーソン Eric McPherson が、2曲でピアノのヴィジェイ・アイヤー Vijay Iyer も、という顔ぶれ。それに Turntables, Electronics としてDJの Jahi Lake が変な音を差しこんできたり。

緊密な無駄のない演奏。タイトながらバネがきいているというのか、引きこまれます。
この3曲を一日で録音したと記されているのですが、何回ほど練習したのか知りたいところ。やっぱり最初は譜面を渡されるのでしょうか、事前にデータで聴いているのでしょうか。
実験的といっても小難しいわけではなく、自分にとってカッコ良い音を狙ってる感じでしょうか。

なお全曲がスティーヴ・リーマンの作とクレジットされていますが、アルバムのエンディングでもあり “Community” と題された(共同体?仲間?)曲だけは、リーマンに加えて上記の参加者4名による作となっています。澄ました顔してそこはポイントだったのかも。