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2021年4月12日月曜日

Sly & Robbie ‎“Version Born”

2004年。ビル・ラズウェル Bill Laswell によるプロデュース。ギター、鍵盤、それにアレンジも。彼とスライ&ロビーとの仕事は何年ぶりでしょうか。

このアルバム、クセがあるというか。スライ&ロビーの名義ではありますが、やはりビル・ラズウェル、彼の存在がうかがえて。

全12曲の内、Dub とタイトルされているのものが4曲。これはボーカル無しのダブ(インスト)であり、スライ&ロビーらしいといって良いもの。
しかも、“Right Stuff Dub” はタイトル通りに、ブラック・ウフルの(アルバム “Chill Out” 収録の)曲を引っ張り出してきて、楽しませてくれるというサービスぶりです。

クセがあるというのが残りの8曲で。ラッパーやボーカルも加わったこちらは、ビル・ラズウェルの主導ではないかというもの。
スライ&ロビーがどうもバック・プレイヤー的なものに後退して聴こえるような。この8曲がどこまで好みか、というのが分かれ目になりますでしょうか。ジャケットのオモテ面に大きくビル・ラズウェルの名前を出すべき。あまりレゲエ好き、ダブ好きにはお勧めしにくいか。



2017年5月1日月曜日

Sacred System “Nagual Site”

1998年。こちらもビル・ラズウェルのプロデュース、ベースにキーボードなども。ベースにはジャー・ウォブル Jah Wobble、コルネットでグラハム・ヘインズ Graham Haynes も参加。Gulam Mohamed Khan なるボーカルもいて、塩辛い声で唸りますし(Harmonium, Voice とクレジット)、ビル独自のダブ・サウンドの中でも民族音楽色が目立つ一枚か。
バーニーのキーボード、オルガンも聞けますが、あまり表立った活躍ではないです。

Sacred System という名義ですが、ROIRレーベルに残したダブ・アルバムとは直接的な関係はないかと思いますが、どうでしょうか。


2017年4月30日日曜日

Bill Laswell “Version 2 Version : A Dub Transmission”

2004年。ニューヨークのレーベル ROIR に、ビル・ラズウェルが残した5作のダブ・アルバムの内、これは最後のひとつ。先の4作がアルバム名からいっても連作的な感じがするのに対して、これだけは追加されたようなタイトルです。
4作でまとまったものを、補完するような、次へつなぐ(Transmission)というような。

プロデュースはビル。全6曲中、4曲がジャー・ウォブル(Jah Wobble)との共作で、これにバーニー・ウォーレルも参加。バーニーとダブ? とも思いますが、アルバムの中盤では、なんだかファンカデリックな歪んだギターがふと聴こえてきます。
これはビルでしょうか? このギターのためなのか、バーニーがいるからなのか、70年代初期のあのファンカデリックを思い出させてくれる場面があります。わずかな時間ですが、ダブの場合、こういった瞬間が大事です。

Bill Laswell - bass guitar, guitar, producer
Jah Wobble - bass guitar
Chris Cookson - drum programming
Bernie Warrell - keyboard
Karsh Kale - drum, tabla
Abduo M’Boup - percussion


Fanu + Bill Laswell “Lodge”

2008年。このアルバムは Fanu という方のビートとビル・ラズウェルのベース、ダブ・サウンドを組み合わせたコラボ企画。ビルとバーニーのつきあいはずっと続いていて、ここでもサポートしています。

DJ、プロデューサーであるFanuのビートというのが、ドラムンベース。レゲエでいうドラム・アンド・ベースではなく、90年代に流行った高速なアレの方。2008年のより複雑なビートによって、疾走するダブ・サウンドが聴けます。

そこに乗っかって、人工的で未来的、まるで無国籍なSF映画に似合いそうな彩りを添えるのが管楽器と鍵盤の役目。バーニー・ウォーレルを始め、グラハム・ヘインズ、ニルス・ペッター・モルヴェルらのプレイが控えめながら、すっと斬り込んできます。 

Fanu - drum programming
Bill Laswell - bass guitar, effects, producer

Graham Haynes - cornet
Nils Petter Molvaer - trumpet
Bernie Warrell - keyboard


2017年3月12日日曜日

Hoppy Kamiyama & Bill Laswell “A Naval City/no One Is”

2004年。ホッピー神山、ビル・ラズウェルの連名ですが、これはビルのいつものダブとかアンビエントといった系譜の中では迫力に満ちたサウンド。ストレートに聴き手にどうだっと迫ってきます。
パワフルなのが仙波清彦のドラム。一曲めからライブ感に満ちた、突き進む乱れ打ちが楽しめます。

Discogsのサイトによると、このアルバムのスタイルは “Dub, Experimental” と分類されています。では Discogsサイトで “Experimental” とされてピックアップされるのは、ピンク・フロイドの “Ummagumma” とレディオヘッドの “Kid A”、それにVUのバナナのジャケットのやつにビートルズのホワイト・アルバム、それらに並んでボウイの “Heroes” と “Low”、そして “★” もある。なるほど、つまりカッコ良いやつです。

ホッピー神山、ビル・ラズウェル、仙波清彦、カッコ良いです。クレジットは次の通り。

Bass, Effects, Mixed By – Bill Laswell
Drums, Percussion – Kiyohiko Semba
Performer [Digital President, Slide Geisha, Ass Hole Box & Gram Pot] – Hoppy Kamiyama


2017年3月11日土曜日

Axiom Ambient - Lost In The Translation

“Cosmic Trigger” (Through the Flames/Cosmic Slop/Animal Behavior)

1994年。ビル・ラズウェル Bill Laswell のレーベルAxiomからリリースされた諸作から数曲をピックアップして、アンビエントというテーマでリミックスし直したCD2枚組。

ブーツィーの関わったナンバーも、マテリアル Material とプラクシス Praxis のアルバムから選ばれて、新たに組み合わされています。ですが各曲から使われているのが、“Cosmic Slop” ではストリングス部分、“Animal Behavior” からは後半のバケットヘッドの静かなギター部分と、ビート感のない、ブーツィーには関係のない仕上がりでした。アンビエント、でしたね。

しかし、マテリアル(材料)とは良く言ったもので、各曲を自由に組み合わせて衣裳替えして使うとは。Pファンクでもやって欲しかった。


Bill Laswell “DIVINATION ambient dub volume I”

1993年。Vol.1と共に、Vol.2もある。どちらも “Silent Recoil: Dub System One” とまったく同じで、ビートのある部分と、効果音だけの部分に分かれる。
Vol.1が8曲入り、Vol.2が6曲入りで、普通に10分、15分の曲がいくつかあるし、効果音だけという部分の含有率も高いし。
効果音だけをじっと聴くというのはシラフでは無理。

“Silent Recoil: Dub System One” と合わせて3枚のアルバムから聴ける部分だけを集める?


2017年3月8日水曜日

Bill Laswell “Silent Recoil: Dub System One”

1995年。ビル・ラズウェル Bill Laswell によるベースにドラム・プログラミング、効果音(Effects)、プロデュースとだけクレジットされた単独作。全3曲で、54分ほど。

いつものベースライン、サウンドの仕上がりですが、今回は生ピアノの響きも効果的に使われて、シンプルながらとても気持ちのよいダブです。
しかし、大きな大きな問題があります。気持ちがよいのは曲のある部分で、このアルバムの収録時間の半分以上が曲ではないのですね。

曲ではない部分は、宇宙空間のような、深海のような、あるいは暗いトンネルの中にいるような、そんな効果音(Effects)が鳴っております。特に3曲めは28分30秒ほどもある大長尺ですが、全編に渡ってこの奈落の底のような効果音(Effects)だけが鳴っております。
じっくりと、それはじっくりと、カタツムリの歩みのように効果音が変化していきます。SFチックな音は好みですが、さすがにここまでやられると。


2017年2月26日日曜日

Material “Hallucination Engine”

“The Hidden Garden / Naima”

1994年。ビル・ラズウェル(Bill Laswell)の関わる幾多の録音の中でも、マテリアルは総本山となる名義でしょうか。ウェイン・ショーターまでゲストに招かれて、アラブとかインドとかエスニック風味もたっぷりに、ビルの多様な音が総決算的に詰めこまれています。

クレジットによれば生ドラムはスライ・ダンバー一人ですが、ベース担当はビル・ラズウェル(Bill Laswell)、ヨナス・エルボーグ(Jonas Hellborg)、それにブーツィー・コリンズ(Bootsy Collins)の3名の名前が並んでいます。
これはブーツィーのスペース・ベースと判るのが、“The Hidden Garden / Naima” の前半部。バーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)もエレピ、ハモンド・オルガンでいますが、無理にでもアラビック風味を盛りつけてあります。


Aiyb Dieng “Rhythmagick”

1995年。ビル・ラズウェル(Bill Laswell)の関連作品で必ず見かけるお名前の方、アイーブ・ディエンのアルバム。
専門である打楽器だけで展開される曲もあるものの、エスニック風味というよりはやっぱりビル・ラズウェルによる無国籍なダブ寄りのサウンドでしょうか。

“Boka Devotion” はブーツィーのベースだと思うけども、“Sabar” や “Soweto Funk” での、ギターのリズミカルなプレイが、バーニーのオルガン、クラヴィネットと共に目立っています。ダブなファンクが気持ち良く。
他に、ファラオ・サンダース(Pharoah Sanders)参加のジャズ風もあり。


Deadline “Dissident”

1991年。デッドラインのこのアルバムは、ヨナス・エルボーグ(Jonas Hellborg)とビル・ラズウェル(Bill Laswell)のプロデュース。それにブーツィー・コリンズ(Bootsy Collins)が加わって、ベース奏者の曲者3人と、鍵盤でイェンス・ヨハンソン(Jens Johansson)に、バーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)等、というメンバー。

作曲クレジットを見ると、主役はヨナス・エルボーグとなりましょうか。誰かのソロ演奏やインタープレイがじっくりと展開されたりという場面はなく。音響の方、いつものビル・ラズウェルによるダブかなと思えるアルバムです。

作曲にブーツィーの名前はありませんが、ダンサブルなビートに乗ってスペース・ベースがバキバキと登場する曲があったり、歪んだ変な音を出していたりします。



Praxis “Sacrifist”

“Deathstar”

1993年。プラクシスの2作目アルバム、ブーツィーの存在はとても薄くなり。ビル・ラズウェル Bill Laswell とバケットヘッド Buckethead によるプロジェクトという色が強いでしょうか。
その代りに一曲のみ、ブーツィー単独の作としてクレジットされている、しかもこれが10分近いという曲が収められています。

この長尺の間、左右のチャンネルからブーツィーのスペース・ベースのソロ演奏が垂れ流しされます。
弦をかきむしるだけ、みたいな効果音や轟音が描くのは、曲名通りのとても荒涼とした風景です。起伏も展開もなく、演奏というよりは音響です。

ブーツィー自身のアルバムでは、とても聴けない一曲ですね。これを聴けるだけでも感謝です。ルー・リードやソニック・ユースのように、ギターの轟音(だけの)アルバムがブーツィーにあっても、まったくOKなのですが。


2017年2月10日金曜日

Jah Wobble, Bill Laswell “Radioaxiom:A Dub Transmission”

2001年。ジャー・ウォブルとビル・ラズウェル連名のダブ・アルバム。連名ですが、ビルの括りに連なる作品。前年のビルの “Sacred System - Dub Chamber 3” (2000)と重なるメンバー多し、音の質感も同じ。
ROIR レーベルからの発売ではなく、Dub Chamber シリーズには含まれない形ですが、兄弟作というか、同じ線上の音です。
“Sacred System - Dub Chamber 3” との違いとしては、ドラムがスライ・ダンバー(Sly Dunber)であることがポイントでしょうか。やはりこちらもオープニングの導入部の展開がカッコ良く。

そして両アルバムに参加しているトランペットのニルス・ペッター・モルヴェル(Nils Petter Molvær)ですが、彼はジャズ畑を中心に独自の活動を続けて、数年後にスライ&ロビーとがっちり組んだアルバム「ノルダブ」Sly & Robbie Meet Nils Petter Molvær Feat Eivind Aarset And Vladislav Delay “Nordub” を発表することに。

なおこのCD、日本盤に付けられている被せオビと同じ造りで、上から、プラケースをすっかり被うように紙が被せられています。サイズが同じで、デザインもオモテ面もウラ面もジャケットとまったく同じ絵柄です。内面には広告がありますが、外側には宣伝の売り文句が記載されているとか、なにか目立つ要素もなし。あまり意味があるようには思えませんが。




2017年2月9日木曜日

Bill Laswell “Dub Chamber 3”

2000年。ビル・ラズウェルは、バーニーやブーツィーらのPファンク勢を招いて繰り返した90年代前半の録音が、あまり良い評価をされないままです。
Pファンクをどうするつもり?と文句を言っていたのは主に黒人音楽ファンだったと思いますが、そもそも、ビル・ラズウェルがそちらに向けた黒人音楽を制作していないことは明白でした。

そういった後の90年代後半も、さらに独自に間口を広げていったビル・ラズウェル。誰かとのコラボ作などさまざまな名義を使い捨てては止まらない彼ですが、ニューヨークのレーベル ROIR には、自分自身の名前で5枚のダブ・アルバムを残しました。

“Sacred System - Chapter 1 - Book Of Entrance” (1996)
“Sacred System - Chapter 2” (1997)
“Dub Chamber 3” (2000)
“Book Of Exit : Dub Chamber 4” (2002)
“Version 2 Version : A Dub Transmission” (2004)

ビルのダブ・アルバムというのはオープニングがなんともカッコ良いですね。
ダブといってもレゲエに止まらず、ファンク、ジャズ、マイルス、民族音楽調のパーカッション類など、さまざまな音楽が、溶けこむというよりレイヤー分けされて。
特定の演奏というのではない、全体像とか、アンビエンス、BGM?。
 Pファンクとの試みも、きっとダブとファンクの関係を探っていた過程の内のひとつだったのでしょう。

5枚の内、この2000年のアルバムには、トランペットでニルス・ペッター・モルヴェル(Nils Petter Molvaer)、ベースでジャー・ウォブル(Jah Wobble)、ピアノでクレイグ・タボーン(Craig Taborn)が参加。それぞれが自身のアルバムを発表している強者たちです。

地鳴りのような重低音や、SF映画で使われるような効果音の合間に絶妙に入ってくる、親しみやすいエレピの音にくすぐられたりします。