“Squeeze Toy”
1992年。Pファンクの親玉、ジョージ・クリントン(George Clinton)の息子である、トレーシー・ルイス(Tracy “Lewd” Lewis、Tracy “Tray-Lewd” Lewis Clinton)唯一のアルバム。
これも当時の、ヒップホップ畑からネタとして使われたことで再評価、復活したPファンクの勢いに乗ってリリースされたひとつ。
この頃、肌の色もさまざまに、デビュー、あるいはヒット曲を狙ってファンクに挑んだ若手グループ等は多かったけれど、この人の場合は出自がケタ違いに異なる。これはいろいろと大変でしょうね。
アルバム自体、楽しげなパーティ気分などカケラもないですが、エンディングを飾るこの曲がまたなんとも寂寞としたスローなファンク。クレジット上ではベースとだけでどの曲なのかは明記されていませんが、これはブーツィーのプレイでありましょう。
プロデュースはクリントン親分とゲイリー・シャイダー(Garry “Starchild” Shider)。ベースを中央に左右にギターがいますが、それぞれが勝手に弾いているのがまたPファンクらしい。マイケル・ハンプトン(Michael Hampton)? ゲイリー?
トレーシーからしてみれば皆が叔父さんみたいなものでしょうが、とにかく、まだまだ終わらないで良いのに、と思わせつつ、ずるずるとフェードアウトしていく幕引き。後を引く曲ですね。