2017年3月19日日曜日

久保田利伸 “Bonga Wanga”

“Feel So Real”
“Bonga Wanga”
“Mixed Nuts”

1990年。アルバムのオープニングを飾るのが “Feel So Real”。2分もない小品ながら、主役の久保田利伸と共にここで宣誓を告げるのが、ブーツィーのスペース・ベース。ギターにチャーリー・シングルトン(Charlie Shingleton)、バック・ボーカルにタワサ(Tawatha Agee)の名前も。なんともゼイタクな。
“Bonga Wanga” もまた2分弱の小品で、ブーツィーのギターにメイシオ(Maceo Parker)が吹くというスタジオの録音風景をのぞかせる断片。

このアルバム、洗練という言葉よりも若さや挑戦に満ちたサウンドです。米国でも、白人のキッズやロック畑のバンドが、ヒップホップやGo-Goビートに対して挑んでいました。ここでの久保田利伸のボーカルも前を向いているというのか、魅力的。

目玉となるのは “Mixed Nuts”。この “Nuts” という言葉も含みのあるような。リード・ギターに Vernon Reid、ベース、ギターでブーツィー、ドラムが Anton Fig と William “Juju” House。
こうなると誰のボーカルも不要とするメンバーですが、George Clinton や Michael “Clip” Payne の語りも入れつつ、久保田利伸のボーカルも踏ん張りを見せます。
一方で、“Mama Udongo”、“夜想” といった曲では久保田利伸だけの個性も聴けて。

ブーツィーということでは、このアルバムに先立って発売されたシングル盤の “Give You My Love” が、一番の聴きものじゃないでしょうか。