2016年10月2日日曜日

Bernie Worrell “Blacktronic Science”

“Flex”
“Time Was”
“Dissinfordollars”
“The Vision”
“Won't Go Away”

1993年。バーニー3作目のソロ作は、共同プロデュースとして大きくビル・ラズウェル(Bill Laswell)がからんで、前作よりもPファンク色が強い方向に。
ジャケットのイラストもそれっぽく。
ジョージ・クリントン親分を始めとして、ブーツィーも全9曲中の5曲にも参加して脇を固めています。

“Time Was” はかの “Aquq Boogie” をモチーフにした再演版。元曲にあるあの印象的なフレーズやリフを取り入れて、カッコ良い曲になっています。
ただ、同じことをDJの連中がサンプリングしてやっていたら、もっと理屈抜きにダンスフロアを踊らせるはず、などとも考えてしまいますが。
やっぱりヒップホップとの勢いの違いを感じてしまうのでしょうか。

そこのところで、ミュージシャンとしてきっちり聴かせようと狙ったと思われるのが、トニー・ウィリアムス(Tony Williams)、メイシオ・パーカー(Meceo Parker)の3人だけでやったジャズな2曲。確かにこのベテランならではの人力なセッションは、DJの連中や機械仕掛けには、ちょっとやれないできない音楽であります。

Pファンクからクラッシックにロックにレゲエにジャズ、そして宇宙との交信も行う、この鍵盤使いのマジカルな世界を、黒いサイエンスと名づけた狙いはとってもよく判ります。
そんな幅広いバーニーの魅力を、タイトル通りに上手いことパッケージするには、CD一枚では容量不足でしょうか。
ビル・ラズウェルがさらに何枚かこのタイトルで続編を続けていれば。それこそ、ビルがトライしたPファンクの解体や再構築の答えにもなっていたかも、と思ったりも。とりあえずのスケッチとしてこのアルバムを聴くとしましょう。