2026年4月30日木曜日

Anthony Joseph “Time”

2013年。アンソニー・ジョセフは、詩人、作家でありシンガー。カリブ海は小アンティル諸島のトリニダードに生まれ、英国、欧州を中心に活動とのこと。

このアルバムも全曲を自作、ポエトリーリーディングしております。
サウンドの方はミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello が全面的にサポート。コンポーズにアレンジ、それにプロデュース、加えてベースをプレイしております。

となると、ジャマイカに生まれ11歳の時にロンドンのブリクストン地区に移住した、というリントン・クウェシ・ジョンソン Linton Kwesi Johnson を思い起こしますが。
で、リントンのダブポエトリーを支えたのがデニス・ボーヴェル Dennis Bovell のサウンドでした。彼はバルバドス出身、12歳でサウスロンドンに移住。
リントンが英国に移住したのが1963年、アンソニー・ジョセフといえば1989年だそう(ウィキペディアより)。

しかしこれはミシェル達の演奏の方ばかりに耳がいってしまいます。
やはりアール・ハーヴィン Earl Harvin のドラムでしょうか。一打一打が強力で印象に残ります。ジェフ・ベックとか宇多田ヒカルとか、ミシェルのアルバム “Comet, Come to Me”(2014年)でも叩いております。
ギターにはおなじみの Christopher Bruce (Chris Bruce) も。彼はミシェルとは長いつきあい、“Devil’s Halo”(2009年)から現在までのミシェルのすべてのアルバムに参加している人物。
また鍵盤のジェビン・ブルーニ Jebin Bruni ですが、こちらもアルバム “Pour une Âme Souveraine: A Dedication to Nina Simone”(2012年)(ニーナ・シモン追悼作)からミシェルのすべてのアルバムに参加している人物。

ベースのリフが強力にドライブするファンクや、アフロっぽいの、ブラジルっぽいの、ドラムとパーカッションのみ、とさまざまなトラックが見本市のように並んで。飽きさせないように、という趣向でしょうか。
翌年のミシェルのアルバム “Comet, Come to Me”(2014年)とはプレイヤーの多くが重複しておりますが、こちらの方が単純にリズミカルなトラックが多く。

その “Comet, Come to Me” にまつわる2014年の来日公演では、こちらに収録されている “Hustle To Live” を披露したというライブ・リポートが有り。歌うはミシェル自身ですが、まさにミシェルのアルバムに収録されてもおかしくないようなファンク。このカッコ良いベースは Christopher Bruce (Chris Bruce) によるプレイとクレジットが有り。

“Comet, Come to Me” といえばいつも通りにミシェルの挑戦的な姿勢が楽しめるアルバムではありました。とはいうものの、円熟味、あるいは余裕、ちょっとした手練れ感も感じられるような。そんな微妙な線は置いておいて、こちらは単純にダンサブルに楽しめるのではないかと。アンソニー・ジョセフの詩の内容は別にして、ですが。