1993年。“What’s Bootsy Doin’?” (1988) 以来となるブーツィー、オリジナルのフル・アルバム。
この90年代始めといえば、ブーツィーがゲスト参加した新作がさまざまにリリースされて、一方でパーラメントやファンカデリックといったPファンク往年の代表作もCD化されては、次々と輸入盤屋に投入されていました。
ファンには新作も旧作も両方が楽しめるという、実に幸せな時期、Pファンク・ブームの真っ只中でありました。
そこに2枚組みというボリュームで登場したこのアルバム、時流に乗った派手めの内容とは少々異なって、地味めに真面目にファンクを聴かせてくれます。
地味めにというのは、異物感たっぷりのスペース・ベースがバキバキに鳴らされ、轟音がバリバリに轟くという電化宇宙のブラスター・サウンドではないのですね。その辺りは抑えめです。
ちょっとアルバム・タイトルが強すぎですか。タイトルといえば、バンド名義ですし。
参加メンバーを見ると録音時期も幅広いようで、録り貯めてあった素材も使ったと思われる構成です。
2枚組の内、一枚はリミックス集となっていますが、ボーカルを抜いて、ベースやバーニーのシンセのプレイがじっくり聴けるという仕掛け。“What’s Bootsy Doin’?” のような加工された音ではなく、その逆に素材の良さを浮き彫りにしようというような。ブーツィーの繊細なまでの音の組み立てぶりが楽しめます。
シンプルな飽きのこない魅力を、できるだけ音量を上げて聴きたいですね。