2016年11月6日日曜日

Axiom Funk “Funkcronomicon“

1995年。ビル・ラズウェル(Bill Laswell)企画によるレーベル Axiom からファンク系の曲を集めたCD2枚組のコンピ盤。
マテリアル Material とかプラクシス Praxis から再録された曲と初出の新曲が並んでいますが、ほぼPファンクがらみのプレイヤーが参加した曲ばかり。ビル・ラズウェルによるPファンク再構築の総決算アルバムでしょうか。ビルが何ゆえにそこまでPファンクに入れ込んだのかは定かではありませんが。

90年代前半は、ヒップホップが黄金期を迎えようとし、つられてファンクもジャズもと、とにかく黒くてカッコ良いビートが世の中にあふれていた頃です。
この総決算アルバムのタイトルを見ると、あの「虚空に暗黒の光芒を放つ巨星」といわれる(創元推理文庫より)ラヴクラフトの創出した「ネクロノミコン」が浮かんできます。「ネクロノミコン」とは、死者の掟の現れを書きつづったものでした。
遊びのタイトルではありますが、Pファンクを古代の死者、亡霊として認識していたのは間違いのないところ。

ブーツィーのからんだ新曲としては、ジミのカバー “If 6 Was 9” が収められています。暗い沈みこむようなビートに、スペース・ベースがからみついていきます。
翌1996年のAxiomからのアルバムには、これのリミックスが2つ収録。

Axiom “Altered Beats: Assassin Knowledges of the Remanipulated”
If 9 Was 6 (Prince Paul Instrumental Mix)
If 666 Was ’96 (DXT Mix)

さらにさらに深く沈みこむムードになっております。完全に別の場所のもので、ブーツィー版の残響すらあるかないか。