2016年11月28日月曜日

Honest - Music From And Inspired By The Film

“You’re All I Need to Get By” Natalie Appleton and Bootsy Collins

2000年。ユーリズミックス(Eurythmics)で知られるデイヴ・スチュワート(Dave Stewart)の監督した映画のサントラ。

テンプテーションズ、マーヴィン・ゲイ、シュープリームスといったモータウンのナンバーをメインに収録。
本家本元のマーヴィンとタミー・テレルのオリジナル版に続いて、ブーツィー版が始まる。
(なぜか両者トラック分けされていないのは、単なる不良品? 知らずに聴いた単なるモータウンのファンを驚かすため?)

主演のNatalie Appletonとのデュエットでありますが、出だしは普通の歌ものかと思わせて一転、後半はファンクに。スペース・ベースがベベンで、ぐっと重心が下がってブーツィーのノリに。

Lara Croft: Tomb Raider (Music From The Motion Picture)

“Illuminati” Fatboy Slim featuring Bootsy Collins

2001年。ファットボーイ・スリム(Fatboy Slim)とのつきあいは、このヒット映画のサントラでも。
曲調はますます派手めに。まあ聴くというナンバーではないけども。

この後にまた、ブーツィーのアルバム “Play With Bootsy”(2002年)にファットボーイ・スリムが参加。

2016年11月27日日曜日

Fatboy Slim “Halfway Between The Gutters And The Stars”

“Weapon Of Choice”

2000年。スパイク・ジョーンズ監督のPVが傑作と名高い一曲。確かにブーツィーのボーカルも含めて音だけで座って聴く、という曲ではないし、映像向けなのでしょうか。


2016年11月26日土曜日

Play With Bootsy -A Tribute To The Funk

2002年、ブーツィーのソロ・アルバム。曲毎に複数のプロデューサーと組みながら、多彩なゲストを招いて、それぞれとコラボを試みている一枚です。

トラック・メーカーとしてラッパーやボーカルを立てつつ、レゲエっぽかったりと、パーカッシブなナンバーが多く。
“All Star Funk” やジョージ・クリントン親分の参加した “Funky And You Know It” など、カッコ良いですね。
シングルになった “Play With Bootsy” は、“Body Slam!” タイプのすっきり、キャッチーな曲。ここではオーソドックスに、円熟のベース・ラインを聴かせたりしていますが。

全体には、地味めの曲が多い印象でしょうか。
ロック寄りの尖がった方面がなかったり、スペース・ベースの轟音も聴かれなかったり。
多彩なゲストといっても、ブーツィー自身が多方に出かけて参加している数の方が、もうはるかに多いという事実もあるし。

ある海外サイトの情報によると、プレリリース版には “Pressin’ On” “Rhythm Is Life” の2曲が含まれていたそう。1曲は日本盤にボーナスとして収録、もう1曲も検索すれば聴ける。


2016年11月23日水曜日

Bootsy’s New Rubber Band “Blasters Of The Univers”

1993年。“What’s Bootsy Doin’?” (1988) 以来となるブーツィー、オリジナルのフル・アルバム。

この90年代始めといえば、ブーツィーがゲスト参加した新作がさまざまにリリースされて、一方でパーラメントやファンカデリックといったPファンク往年の代表作もCD化されては、次々と輸入盤屋に投入されていました。
ファンには新作も旧作も両方が楽しめるという、実に幸せな時期、Pファンク・ブームの真っ只中でありました。

そこに2枚組みというボリュームで登場したこのアルバム、時流に乗った派手めの内容とは少々異なって、地味めに真面目にファンクを聴かせてくれます。
地味めにというのは、異物感たっぷりのスペース・ベースがバキバキに鳴らされ、轟音がバリバリに轟くという電化宇宙のブラスター・サウンドではないのですね。その辺りは抑えめです。
ちょっとアルバム・タイトルが強すぎですか。タイトルといえば、バンド名義ですし。

参加メンバーを見ると録音時期も幅広いようで、録り貯めてあった素材も使ったと思われる構成です。
2枚組の内、一枚はリミックス集となっていますが、ボーカルを抜いて、ベースやバーニーのシンセのプレイがじっくり聴けるという仕掛け。“What’s Bootsy Doin’?” のような加工された音ではなく、その逆に素材の良さを浮き彫りにしようというような。ブーツィーの繊細なまでの音の組み立てぶりが楽しめます。
シンプルな飽きのこない魅力を、できるだけ音量を上げて聴きたいですね。


2016年11月11日金曜日

Zillatron “Lord Of The Harvest”

1993年。前年のプラクシスとサードアイ、バーニーのソロ作(93年)といった諸作に続いての、ビル・ラズウェル(Bill Laswell)がらみの一枚。

ブーツィーが主役的に立っていますが、バケットヘッド(Buckethead)のギター、バーニー(Bernie Worrell)の鍵盤という組み合わせによるサウンド。
エキサイトメントがテーマだと当時のインタビューに発言があったと記憶していますが、打ち込みのビートに炸裂するスペース・ベースと、気持ちよくたたみかけてきます。

これはロック好きの方面にも積極的なアピールになったでしょうか。逆にダンサブルを求めるファンク・ファンには、拒絶反応がでるだろうなという曲もあり。
正直、アルバムの半分がたを占めているのが、バケットヘッドとビルの色が強すぎると思われる曲・遊び。個人的には、それよりここはバーニーの出番じゃないかと。異次元な鍵盤ソロからスペース・ベースとの一対一の対決とか。あるいは凶暴・凶悪な、とぐろを巻くような破壊的轟音のベース・ソロとか。

2003年には、ビル・ラズウェルのレーベルから安いデザインで再リリース。リミックス版というものの、大きくいじられた音ではなく。

2016年11月6日日曜日

Buckethead “Giant Robot”

“Welcome To Bucketheadland”
“Buckethead’s Toy Store”
“Want Some Slaw?”
“Aquabot”
“Binge And Grab (Instrumental Version)”

1994年。バケットヘッドの2作目は、デビュー作 “Buckethead Land” をメジャーにて作り直したようなアルバム。プロデュースはビル・ラズウェル(Bill Laswell)に。

メジャー向けにメリハリはつけてありますが、やっぱりマニア向けのロック・アルバムなのは変わらないか。シンプルな編成で聴かせる点も変わらず。全19曲中、5曲にブーツィーのベース、そしてジェローム・ブレイリー(Jerome “Bigfoot” Brailey)の人力ドラムで、さすがに演奏は強力版にアップグレードしてます。

ブーツィー目当てには8分近い “Buckethead’s Toy Store” が聴きどころ。ブーツィーのスペース・ベースによるフレーズがさまざまに聴けます。


Buckethead “Buckethead Land”

1992年。バケットヘッドのデビュー作、2枚組。
打ち込みのドラムにギターが基本というシンプル極まりない音で、ブーツィーのスタジオで夜な夜な録音したようなホームメイド感あり。これはマニア向け。曲もあれば音のスケッチみたいな断片もあって、現在ならネットでタダで配布しても疑問に思わないかも。

ビル・ラズウェル Bill Laswell はプラクシス Praxis のアルバム “Transmutation (Mutatis Mutandis)” を作成する際に、このような素材をイジッたのかもしれない。

スペース・ベースもところどころで聞こえますが、ブーツィー目当てであれば、ブーツィーによるリミックス盤という2枚目でしょうか。ビートが強調された数曲が納められています。

しかしブーツィーとバケットヘッドはウマが合うというのか、この後もずっとつきあいが続くことに。これは予想外でした。


Axiom Funk “Funkcronomicon“

1995年。ビル・ラズウェル(Bill Laswell)企画によるレーベル Axiom からファンク系の曲を集めたCD2枚組のコンピ盤。
マテリアル Material とかプラクシス Praxis から再録された曲と初出の新曲が並んでいますが、ほぼPファンクがらみのプレイヤーが参加した曲ばかり。ビル・ラズウェルによるPファンク再構築の総決算アルバムでしょうか。ビルが何ゆえにそこまでPファンクに入れ込んだのかは定かではありませんが。

90年代前半は、ヒップホップが黄金期を迎えようとし、つられてファンクもジャズもと、とにかく黒くてカッコ良いビートが世の中にあふれていた頃です。
この総決算アルバムのタイトルを見ると、あの「虚空に暗黒の光芒を放つ巨星」といわれる(創元推理文庫より)ラヴクラフトの創出した「ネクロノミコン」が浮かんできます。「ネクロノミコン」とは、死者の掟の現れを書きつづったものでした。
遊びのタイトルではありますが、Pファンクを古代の死者、亡霊として認識していたのは間違いのないところ。

ブーツィーのからんだ新曲としては、ジミのカバー “If 6 Was 9” が収められています。暗い沈みこむようなビートに、スペース・ベースがからみついていきます。
翌1996年のAxiomからのアルバムには、これのリミックスが2つ収録。

Axiom “Altered Beats: Assassin Knowledges of the Remanipulated”
If 9 Was 6 (Prince Paul Instrumental Mix)
If 666 Was ’96 (DXT Mix)

さらにさらに深く沈みこむムードになっております。完全に別の場所のもので、ブーツィー版の残響すらあるかないか。


2016年11月5日土曜日

Praxis “Transmutation (Mutatis Mutandis)”

1992年。ビル・ラズウェル(Bill Laswell)企画によるバンド。
スリーブには、実際にメンバー一同が集合し、リラックスした様子の写真が掲載。これはスタジオの一角でしょうか、きっと演奏の方も息の合った楽しいものだったのだろうと想像できる雰囲気です。

Bootsy Collins - space bass, vocals
Buckethead - guitar, toys
Bryan “Brain” Mantia - drums
Bernie Worrell - synthesizer, clavinet & vital organ
AF Next Man Flip (Lord of the Paradox) also known as Afrika Baby Bam of the Jungle Brothers - turntable, mixer
Conceived and constructed by Bill Laswell

5名の皆がそれぞれ活躍を見せるセッションを存分に録音し、最終的に仕上げたのはビル・ラズウェルでしょうか。練習、実践というバンド名にして、その担当が、想像に組み立て、だそう。(ビル以外のメンバーのクレジットはそのままで、そっけない。)

くるくると曲調が変化していく展開で、ブーツィーとバーニーが生みだすコンビネーションもきちんと収められています。
エンディングに配置された16分を超える “After Shock (Chaos Never Died)” では、バーニーのストレンジなソロ演奏も聴けます。ここでのバケットヘッドとのやり取りは、その後のバーニーのソロ作品にも引き継がれていくことに。

ビル・ラズウェルがらみの諸作の中でも、このアルバムは繰り返し聴けますね。カオスは眠らない、とか突然変異とか。こういった言葉からは、あのバタフライ効果の寓話(ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?)を連想させられます。


2016年11月3日木曜日

Stevie Salas “Anthology of Stevie Salas Colorcode 1987-1994”

1996年にリリースされた、スティーヴィー・サラスのCD2枚組みベスト盤。
これにサードアイに関わる未発表の2曲が収録されています。

“Shake It -1991”
Original Demo Version from the album “Hardware/Third Eye” session

“Any Noise -1991”
unused demo song for the album “Hardware/Third Eye”

スティーヴィーとブーツィーの二人に、バックボーカルでゲイリー・マッドボーン・クーパー(Gary “Mudbone” Cooper)が加わった3人で制作されたデモ版、
Recorded at Bootsy’s Big Ass Funky Ranch House Studio, Cincinnati, Ohio
と記されています。

このような曲が出てきますと、アルバム制作は、もしかするとスティーヴィーとブーツィーの二人が先行して進めていたのかな、などと勝手ながら妄想してしまいます。
というのも、ジミのイメージもあってバディのドラムをセットした企画や人選は理解できるのですが、一方で、必ずしもバディでなくても、Pファンクには良いドラマーがいるしなとも考えるわけで。
さらに言えば、実際スティーヴィーとブーツィーの二人で事足りるわけで。ドラムじゃなくて、バーニーの鍵盤ではだめなの?とか。


2016年11月2日水曜日

Third Eye “Hardware”

1992年。スティーヴィー・サラス(Stevie Salas)、バディ・マイルス(Buddy Miles)、ブーツィーのトリオ編成。プロデューサー、ビル・ラズウェル(Bill Laswell)がらみの企画。

 カッコ良いリフだらけで、ストレートに攻めてくるロックな一枚です。
ボーカルをスティーヴィーとバディがほぼ占めており、キャラとしてこの二人が前に出てくるのも分かりやすく。とはいえ、聴きたいのはやっぱりブーツィーの部分。

ボーカルが引っ込んだインスト部分に聴こえてくるスペース・ベースが、やっぱり不気味です。この黒いノイズ、ロック・ファンには異物じゃないでしょうか。いってみればトリオのダークな部分。

どうでもいいようなバラード曲は外して、このダークな部分をもっと入れてよと思いますが。バンド・オブ・ジプシーズでいえば、“Machine Gun” のような。


2016年11月1日火曜日

Material “The Third Power”

“Playin’ With Fire”
“Cosmic Slop”
“Power Of Soul (Black Chant)”
“Glory”

1991年。ビル・ラズウェル(Bill Laswell)企画によるレーベル Axiomから、マテリアル名義で出されたアルバム。
全8曲中、クレジットにブーツィーの名前があるのは上記の4曲。ファンカデリックのカバーやジミに関わる曲もあり、バーニーにゲイリー・シャイダー(Gary Shider)、マイケル・ハンプトン(Michael Hampton)らも参加。

といっても、このアルバムのキモになるのはスライ&ロビー(Sly & Robbie)。全曲のボトムを担当して、ブーツィーのギターやバーニーの鍵盤があろうと、独自のノリになっています。
スライ&ロビーがこれまでビルとやったアルバム “Language Barrier”(1985年)、“Rhythm Killers”(1987年)のまとめともいえる一枚でしょうか。レゲエな曲が登場するとやっぱり安心します。