2021年9月26日日曜日

Sly Dunbar ‎“Sly, Wicked And Slick”

1979年。スライ・ダンバー、2枚めのソロ名義作品。
このアルバム、タイトルはざっと「抜け目なく、いやらしいほど巧妙に」みたいな。だからこの音に「気をつけろよ」、だから「注目しろ」といったところでしょうか。その通りに精緻な演奏が楽しめるインスト集です。

1991年のCD版は、“Sly, Wicked And Slick -Extra Version” として、スライの前年の初ソロ作 “Simple Sly Man”(1978年)からも全曲を収録。これはお得です。
どうせなら、ソロ名義での3作め “Sly-Go-Ville”(1982年)もまとめた仕様で、(CD2枚組の形ででも)いつか改めてリリースされないかと期待をしておりますが。
スライ・ダンバー単独のソロ名義アルバムというのは3作あり。どれにもスライ&ロビーの基本とも言えるインスト曲が、ぎっしりと詰まっております。

この2作めの目玉曲といえるのは、なんといっても、“Queen Of The Minstrels” でしょうか。
レゲエ好きで嫌いな人はいないはず、というこの曲、スライ&ロビーの手がけた他のアルバムにも幾度か収録されておりますが(タムリンズ The Tamlins やディーン・フレーザー Dean Fraser のもの等々)。

Cornell Campbell “Boxing”

1982年。コーネル・キャンベルのボーカル版は、多々ある “Queen Of The Minstrels” の中でもお気に入り。全曲のバックがスライ&ロビーというアルバム自体、聴きごたえあるし。



2021年8月22日日曜日

Pino Palladino And Blake Mills “Notes With Attachments”

2021年。ピノ・パラディーノ、ブレイク・ミルズの連名ですが。特にピノはキャリア47年めにして初のオリジナル・アルバムだそう。ディアンジェロ D’Angelo の “Voodoo”(2000年)からも20年以上。ふたりとも、とにかく待たせます。
記念に、両者を並べた一枚。



2021年8月8日日曜日

Gwen Guthrie “Padlock (Special Mixes By Larry Levan)”

1985年。スライ&ロビーがバッキングに参加している、グエン・ガスリーのアルバム(“Gwen Guthrie” と “Portrait”)から、ダンサブルな5曲を集めたミニ・アルバム。
全曲がラリー・レヴァン Larry Levan によってリミックス。より踊れる用に、ダンス・フロア向けに。
引き締められたビートは、当然スライ&ロビーというよりもパラダイス・ガラージかサルソウルか、といった趣向です。

2008年リリースのこのCD版には、ボーナスとして7曲が追加。各曲、元となるアルバム・バージョンが追加されているので、違いを聴き比べるのも楽しく。

そのオリジナル・アルバムの元々から、レゲエというよりもディスコ向けなグエン・ガスリーですが、彼女を知るには手っ取り早いベスト盤も有り。

Gwen Guthrie “Ultimate Collection”

1999年。1曲を除いた残りの13曲が、すべてスライ&ロビーがらみです。クセのないボーカルは親しみやすく、踊る邪魔もせず。

しかし、こういったディスコティックなサウンドのさらに向こう側に、アーサー・ラッセルによる Sleeping Bag Records レーベルのような音があったり。
あるいは Liquid Liquid といったバンドや、“Zero Set” のようなアルバムを思い浮かべたり。繋がっているのかいないのか、とにかく80s、心躍らされます。




2021年7月17日土曜日

Grace Jones “Private Life: The Compass Point Sessions”

1998年。これは、ひたすらにカッコ良いサウンド、数あるスライ&ロビー関連の中でも外せないアルバムでしょうか。80s独特の、とんがってる、といいますか。

グレイス・ジョーンズの3枚のオリジナル・アルバム、
“Warm Leatherette”(’80)、“Nightclubbing”(’81)、“Living My Life”(’82)から集めた曲を主にしたコンピ盤です。
単純な寄せ集めのベスト盤ではなく、12インチ・バージョンや未発表だったロング・バージョン、そのダブ・バージョンまで多数てんこ盛りのCD二枚組。
コンパスポイント・スタジオでのレコーディング・セッション、というタイトルの通りに、スライ&ロビーを始めとする演奏パート、バックトラックに焦点が当てられた形であります。

アルバムのトップを飾るのは、プリテンダーズのクリッシー・ハインド Chrissie Hynde 作 “Private Life” のカバー。もうイントロからして、わしづかみ。
デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック、ポリス等々ロック畑の曲のカバーも多いのですが、本家との聴き比べも楽しく。

80年代アタマらしいロックやニュー・ウェーブ寄りの匂いに、“Feel Up”、“Pull Up To The Bamper” といった思い切りダンサブルな曲まで。一言、クールです。

2021年7月16日金曜日

Arthur Russell “The Sleeping Bag Sessions”

2009年。ニューヨークのインディ・レーベル、The Sleeping Bag Records のコンピ盤。80年代独特の、エレクトロでディスコな、好きな人には直撃!という音が詰まっています。とんがってる、といいますか。これにブーツィーがらみの一曲が収録。
ボンゾ・ゴーズ・トゥ・ワシントンの名義で、1984年に12インチ盤でリリースされたもの。

Bonzo Goes To Washington
“5 Minutes (B-B-B Bombing Mix)” 3:18
“5 Minutes (R-R-R Radio Mix)” 4:07

トーキング・ヘッズ、モダーン・ラヴァーズで知られたジェリー・ハリソン Jerry Harrison と、ブーツィーのベース。アーサー・ラッセルはテープ・エディットで参加。

当時の米国大統領であるロナルド・レーガン氏の声を大胆にサンプリングした、エレクトロなファンクであります。そのレーガン氏がまだ俳優だった頃、50年代に出演していたコメディ番組に登場するサルの名前が、ボンゾだそう。上京したボンゾ、俳優上がりの大統領をエテ公呼ばわりですね。サンプリングされたセリフがまた大変な失言で。

硬質な音、ビートにブーツィーのベース・ラインもしびれますが、他の曲もゴツっとゴリっと魅力的。このレーベルに人気があるのも納得。



2021年6月17日木曜日

Still Wish You Were Here: A Tribute To Pink Floyd

“Shine On You Crazy Diamond (Parts 6-9)”

2021年。ピンク・フロイド・トリビュートということで、アルバム「炎~あなたがここにいてほしい~」を丸ごとカバーした、という全5曲入り。
「総勢20名以上のロック/プログレ豪華アーティスト陣」が参加だそうで、ブーツィーは完全に畑違いの存在。守備範囲から外に出かけての他流試合というのも久しぶりでしょうか。

この曲、12分30秒を超えて展開する長さで、ブーツィーが前に出てくるのは中盤から。短めではありますが見せ場も用意されています。ばっちりスペース・ベースを聴かせてくれますが、短めのちょいの間ですね。
どうせなら異質の存在として、もっと大きめの音量で、もっと不気味な音を轟かせてくれ、と思いますが。ちょっともうそれも厳しいのかな。
そもそも基本、ロックというよりなんだか演歌みたいな一枚ですけども。ピンク・フロイドのオリジナルは知りません。