“I'll Be Around”
1995年。ジャズ、フュージョン方面でも活躍、ヒット曲も多く持つランディ・クロフォード。
ブーツィーの系譜からすると、これはジョニー・テイラー(Johnnie Taylor)の “Disco Lady” や L.J.レイノルズ(L.J.Reynolds)の “Travelin’ ” でのプレイと同じく、実力派ボーカルを主役に、自分の個性は抑えめというもの。地味ながらも曲の土台をしっかりと支えています。
J.J. ケイルの “Cajun Moon” はカバーも多く、白人系ではカントリーテイストが聞かれたりもしますが、こちらはぐっとテンポも落とされて、曲の地金にあるブラックが引き出された仕上がり。ブーツィーのベースはブルース。南の夜を感じさせます。
スピナーズのカバー “I’ll Be Around” も軽快なノリながら、エンディングの最後の最後にまできちんとフレーズを入れてくるなど、マジメなプレイぶりが聴けます。
職人とか、円熟とか、歌手に対するリスペクトとか、そういった言葉が浮かびます。
Randy Crawford “Naked & True: Delux Edition”
このアルバム、2017年に2枚組のデラックス版として再発されました。95年発売時のシングル盤各種に収められていたリミックス版を集めた1枚が、オマケとして追加されています。
“Cajun Moon” は4バージョン、“I’ll Be Around” は2バージョンが収録。残念ながらブーツィーのベースが目立って引き立てられたようなバージョンは無し。逆にごく普通のベースラインのものに差し替えられてしまっています。ですがこれはこれでオマケとしては有りでしょうか。