2016年7月26日火曜日

Lucky Peterson “Lifetime”

“Time”
“Lifetime”

1996年。ラッキー・ピーターソンはギターにキーボードにとマルチなプレイヤーらしい。ブルース畑にとどまらないファンクとかポップに間口を広げたこのアルバムには、ブーツィーとバーニー、ドラムのデニス・チャンバース(Dennis Chambers)を迎えた上記の2曲を収録しています。
クレジット上では彼らを “P-Fomers”と名づけて遊んでいますね。

“Time” の出だしがまずカッコ良く。ブーツィーのアルバム “Ultra Wave” の巻頭を飾ったナンバー “Mag Push” を思わせて、おおっと膝を乗り出してしまう。そこから滑りこんでいく曲はすごくバウンスしますが、ベースラインはあくまで重心低く、まさに地を這うような。

このアルバムはCDではUS盤、フランス盤、ヨーロッパ盤と3種類あって、ブーツィーが目当てであればヨーロッパ盤がおすすめ。
フランス盤にはそもそもブーツィがらみの曲は含まれず。US盤は2曲を普通に収めていますが。
ヨーロッパ盤はというとCD2枚組であり、そのDisc2が、ブーツィーを始め “P-Fomers” 参加の2曲をそれぞれ3バージョンずつ収録しているというもの。計6トラックで30分、Pファンク・ファンに贈られた素晴らしいスペシャルおまけ盤になっています。

“Time (Mix 1)”
“Time (Mix 2)”
“Lifetime (Mix 1)”
“Lifetime (Instrumental)”
“Time Will”
“Lifetime (Mix 2)”

ヨーロッパ盤とUS盤では “Mix 1” のテイクは同じですが、続く “Mix 2” が基本的にインスト。“Mix 1” で盛り上がった演奏が、続けて “Mix 2” でも楽しめるという長丁場な仕掛け。きっちり作られたロング・バージョンであり、ブーツィーらしいお楽しみも盛りこまれています。

“Mix 3” に相当する “Time Will” も細かな音を引っこめてベースラインを強調させたブーツィー・バージョンになっていたり。このオマケ盤、ほんとにラッキーさんの太っ腹を感じるプレゼントであります。

逆に正統ブルース・ファンはこのオマケのDisc 2を聞いてどう思ったでしょうか。ブーツィーのスペース・ベース、のたうち回ってますものね。