2020年3月28日土曜日

Party On Plastic (What’s Bootsy Doin’?)

Party On Plastic (What’s Bootsy Doin’?) - With Rap  3:48
Party On Plastic (What’s Bootsy Doin’?) - Without Rap  3:35
Party On Plastic (P.O.P.)  6:59
A Creative Nuisance (Nobody Understands) Party Mix  6:30
P.O.P. Da House Mix  4:51
P.O.P. Da Combat Dance Mix  6:21

1988年。前作から間の空くこと6年ぶり、ブーツィーは何してるの? “What’s Bootsy Doin’?” とタイトルされたアルバムの1曲めに飛びだすのが “Party On Plastic”。パーティしてるよ、というオープニング、最初のシングル曲としても選ばれた強力ナンバーです。

まさに勝負曲、7インチ、12インチなど各種あるシングル盤に散らばっていたこれのリミックス 6バージョンを、すべてCD一枚に集めた便利な盤がこちら。
Special Mixes とされたプロモ盤です。専用の厚紙ジャケット付き(さすがに裏面は印刷なしの無地)。この曲が大好きなファンにはこれはお宝となります。

アタマの2曲はアルバム版と同様(ラップの有り無しが違い)ですが、次の3曲め “Party On Plastic (P.O.P.)” と続くことで、計10分を越えるロング・バージョンに。
さらに4曲め “創造的な迷惑(誰も理解しない)” へとつながっていきますが、このタイトルも可笑しい。

もともと、派手な音づくりをされた一曲です。ラジオのエアプレイを意識した、とはブーツィー本人の弁。大メジャーであるCBSからのリリースですが、ここの関連会社が、先にマイケルの “BAD”(1987年)という大ヒットを飛ばしていますし。シングル曲 “Speed Demon” とか。
ブーツィーとしてもちょっと異色かもしれない、これをプラスチックというかもしれない、80年代末のこの音、今も愛聴しています。

2020年2月23日日曜日

Geri Allen “Open On All Sides In The Middle”

1987年。スティーブ・コールマンに少なからず関連したミュージシャン、プレイヤーの中でも、人気が高いというか、幅広くから支持を集めた筆頭といえば、ピアノ弾きのジェリ・アレンでしょうか。
スティーブ・コールマンとその一派の立ちあがりの時期、80年代後半の諸作に参加していた彼女の、三作めのソロ・アルバムがこれ。

聴けばすぐに彼女の才媛ぶりや明朗さが伝わってきます。オープニングの一曲めに、まず高揚させられて。スティーブ・コールマンをゲストに招いたファンクな曲だったり、アブストラクトな曲だったりと、多彩です。

Geri Allen “Twylight”(1989)
Geri Allen “Maroons”(1992)


ジェリ・アレンの持つ響き、ジャズ、あるいはファンクといったスタイルにとどまらない魅力や独創性は、次のアルバム “Twylight” でもまったく変わらずに。

アルバム “Maroons” では、ベースがドゥエイン・ドルフィン(Dwayne Dolphin)に。
フレッド・ウェズリー(Fred Wesley)のバックで、手堅く絶妙にファンクするベースを聴かせてくれる存在です。なんだかアフリカなパーカッションが展開したり、スティーブ・コールマン&ファイブ・エレメンツのアルバムでもやった “And They Partied” の再演があったりと、これも楽しめる一枚。

様々な方々と広く共演を果たしているジェリ・アレンですが、ドゥエイン・ドルフィンとは、彼の初リーダー作 “Portrait of Adrian”(1993)でも再び共演することに。それより先にフレッド・ウェズリーのアルバム “New Friends”(1990)に参加していたりも。
ジャズ畑での活躍が知られる彼女ですが、90年前後の諸アルバムなどは、ジャズ好きだけに聴かせるのはもったいない音が鳴っているような。


2020年1月26日日曜日

Opus Akoben “Art Of War”

1997年。強面三人衆の仏頂面、いかにもなジャケットの通り、ラップ・ボーカルのアルバム。プロデュースがスティーブ・コールマン(Steve Coleman)。

バックを固めるのはファイブ・エレメンツのメンバー。ジーン・レイク(Gene Lake)のドラムに、レジー・ワシントン(Reggie Washington)のベース。それにギターがデヴィッド・ギルモア(David Gilmore)、という強力な人力演奏であります。

これに先駆けて、ドラムとベースが同じ顔ぶれで、スティーブ・コールマン自身の名前をつけたアルバムもリリースされていました。

Steve Coleman And Metrics ‎“A Tale Of 3 Cities:The EP”(1994年)
Steve Coleman And Metrics ‎“The Way Of The Cipher”(1995年)


Metrics とは、直訳すれば、韻律学、作詞学とのこと。ファイブ・エレメンツとの違いは、ラップを前に立てているかどうかです。
“Sine Die” 以降の90年代前半も、独自にファンクしてきたスティーブ・コールマンですから。ドラムとベースを肝にしたソリッドなビート、JBズ的なホーンで裏方に徹したノリがこの上なく気持ち良く。

この頃、スティーブ・コールマンはザ・ルーツ(The Roots)のアルバム “Do You Want More?!!!??!”(1994年)、“Illadelph Halflife”(1996)に参加したり、ジーン・レイクもディアンジェロ(D'Angelo)の“Brown Sugar”(1995年)で一曲叩いていたり。
そして Metrics の延長に、Opus Akoben のこのアルバムが来ます。

Metrics でも大活躍したラッパー達が主役であります。ドラムとベースが肝なのは変わらず。タイトル “Art Of War” を訳すなら、“兵法” でしょうか。
これらのラップを前に立てた路線は、リズムはシンプルに、ホーン隊各自のソロ演奏も引っ込むとなれば、(ファイブ・エレメンツに比べて)不満を持つファンもいるかもしれませんが。
ファンクとしては、どれも気持ち良いこと極まりない演奏が聴けます。


2020年1月5日日曜日

Kevin Bruce Harris & Militia “And They Walked Amongst The People”

スティーブ・コールマン&ファイブ・エレメンツのアルバム “Sine Die”(1988)では、ケヴィン・ブルース・ハリスのゴリっとしたベース・プレイが、サウンドを魅力づけていました。
彼のファンクなベースは、グループがファイブ・エレメンツと名づけられてから最初の三枚のアルバムで聴けます。
そして1989年にリリースしたのが、初のソロ・アルバムであるこれ。

ケヴィンと民兵団(Militia)なんて物騒な名前ですし、ベースの音はもちろん大きめ。ベースのみという曲があったり、デヴィッド・ギルモア(David Gilmore)がロックなギターを鳴らしたり。とサービスはしてくれますが。ではありますが、これは普通にフュージョンでありましょうか。

なるほど策士スティーブ・コールマンが関わるか否か、活かすも殺すも深謀次第、でしょうか。残念なことに、“Sine Die” 以降のファイブ・エレメンツのアルバムには参加していないケヴィン・ブルース・ハリスであります。

それ以降の彼のベースを楽しむには、カサンドラ・ウィルソンの1990年代前半、彼女がブルーノートに移る前までの諸作が最適となるでしょうか。

Cassandra Wilson “Jumpworld”


1990年。このアルバムにはスティーブ・コールマンを始め、一派のメンバーも多数参加、改めてファンクしています。
それから1991年のライブ盤 “Live” も。“Sine Die” から等、ファイブ・エレメンツの曲をやっていたり。バンドの見せ場もしっかり用意されています。
とはいえ、ボーカルの伴奏であります。演奏だけをもっと集中して聴きたいと思っても、そうはいきません。

やっぱり、“Sine Die” 以降にも、ケヴィン・ブルース・ハリスが参加したファイブ・エレメンツのアルバムが(もう一枚か二枚ぐらい)あれば理想的でしたか。スティーブ・コールマン的には、単なる繰り返しかもしれないですが、ファンクな奴が。

Kevin Bruce Harris “Folk Songs - Folk Tales”


1994年。そしてそして登場した、二作めのソロ・アルバム。これが、さらに普通のフュージョン。穏やかめ、軽やかな曲ばかり。ファンクを期待すると不発。あのベースが鳴ってはいるのですが、もう一歩も二歩も、ファンク寄りでお願いしたいところ。



2019年12月30日月曜日

Steve Coleman And Five Elements “Sine Die”

1988年。ウルマーに続けてとなれば、やっぱりスティーブ・コールマンの登場と相成りますか。 80年代前半を席巻したウルマーと同じくCBS/Sonyからのリリース、80年代の後半を賑わせたこのアルバム。とにかくファンクです。

スティーブ・コールマン&ファイブ・エレメンツとしては三枚め。ケヴィン・ブルース・ハリス(Kevin Bruce Harris)のベースに、マービン・スミッティ・スミス(Marvin “Smitty” Smith)のドラム、デヴィッド・ギルモア(David Gilmore)のギター。斬り込んでくるホーン隊。
アレンジだの演奏だの、ダレる一瞬もなく。耳をそばだてさせる、カッコ良さ。

Dave Holland Trio “Triplicate”


そして、“Sine Die” と同じ1988年に録音された一枚。こちらはジャズ。
ベースのデイヴ・ホランド(Dave Holland)、ドラムはジャック・ディジョネット(Jack DeJohnette)。1968年に電化マイルス組に参加、あの “Bitches Brew” でもやったベテラン二人と、スティーブ・コールマンという三角形。
デイヴ・ホランドは、80年代を通じて幾度もスティーブ・コールマンを招いては共演しています。

自身のグループではクールにクールに、スタイルを徹底しているスティーブ・コールマンですが、こちらの土俵となると、手数の多い先輩達がぐいぐい来ますから。ピアノなし、三人だけの研ぎ澄ました演奏、やり取りが聴きものです。美しいスローな曲があったりも。

なお、スティーブ・コールマンの初リーダー作 Steve Coleman Group “Motherland Pulse”(1985)を聴いてみると、彼のジャズからファンクに至る過程が垣間見れるような楽しさ。




2019年11月13日水曜日

James Blood Ulmer with The Thing “Baby Talk (Live At Molde International Jazz Festival 2015)”

2017年。ジェームス・ブラッド・ウルマーとザ・シングの共演盤、録音は2015年のライブから。最近のウルマーを、ということで(続けて)これを。

Recorded live in concert at Molde International Jazz Festival on the 15th of July 2015.

ザ・シング(The Thing)はスウェーデン、ノルウェー辺りの北ヨーロッパ(北欧)で活躍するジャズ系バンド。大友良英とやったり、サーストン・ムーアとのライブ盤もあったり。
ドラムにベース、加えてサックスもいる三人組となると、かってのウルマーのファランクス(Phalanx)やミュージック・レヴェレーション・アンサンブル(Music Revelation Ensamble)といったバンドを思い起こします。

ウルマーは2000年代に入ってからも、ヴァーノン・リード(Vernon Reid)と組んでみたりと様々に試みを重ねていましたが、正直、、、というところ。で久々のこのライブ盤はジャズ。アヴァンギャルドの一言です。
激しい演奏のやりとりではありますが、どこか老獪さも感じられるような。それが北欧の連中だからなのか、それともウルマーの年齢や経験値から来るものなのか、は不明ですが。かってウルマーが組んでいた黒人プレイヤー達とはまた違う音の投げあいを、じっくりと聴かせてくれます。

そして当然、ファランクスやミュージック・レヴェレーション・アンサンブルといった盤をまた改めて聴き返したくなります。それらと並べられる、2010年代のウルマー、という一枚です。