“Compared To What”
2007年。映画「Talk To Me」のサントラ盤。といっても、収録されているのは往年のソウル・ミュージックばかり、というヒット・パレードなコンピ盤。アトランティック・レコード Atlantic Records 発。
オーティスやサム&デイヴ等、60年代のヒット曲が11曲に、71年のドラマティックス The Dramatics の一曲も、という並び。そこに、新録としては一曲のみ、ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello のアルバム未収録曲が最後に収められている、という(なかなかに)大胆な構成。
映画はワシントン D.C. の人気ラジオ・テレビ・パーソナリティ、ラルフ・ピーティー・グリーン Ralph “Petey” Greene を描いたものだそう。この方、クスリ中毒やら強盗犯で受刑したやら、色々と経験を重ねたタレント兼地域活動家とのことで(ウィキペディアより)、60年代後半から80年代前半の期間を舞台に描いた物語だそう。
オマケのようにこの曲だけが新録、というミシェルの一曲がどこに流れるのかは未見ですが、これもカバーで、1969年にロバータ・フラック Roberta Flack が歌ったもの。作者はユージン・マクダニエルズ Eugene McDaniels という方。
同じこの方の作では、そのロバータを始め、マリーナ・ショウ Marlena Shaw や、それにディアンジェロ D’angelo もカバーした “Feel Like Makin’ Love” も有名でしょうか。
ミシェル版のカバーは、がらりと現在のアレンジ、質感ながら、元のロバータ版にならったのかジャズなウッドベースがボンボボンと走って。途中、いきなりファンクが差しこまれる、急展開も聴きどころ。このヘビーなパートのベースはミシェルでしょうか。
クレジットがそっけないもので、演奏(Performed)はミシェル、トランペットでテレンス・ブランチャード Terence Blanchard をフィーチャリング、そしてプロデュースはミシェル、とそれだけ。歌以外のドラムや鍵盤、ベースのすべてもプレイしているのでしょうか。かねてからウーリッツァーやプログラム担当みたいなクレジットはありましたけど。