2024年3月2日土曜日

Inner City Blues: The Music Of Marvin Gaye

Nona Gaye
“Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)”

1995年。1984年にマーヴィン・ゲイ Marvin Gaye が亡くなってから10年あまり、モータウンからリリースされた(邦題もそのままの)マーヴィン・ゲイ・トリビュート。ロック、ポップス方面から参加の顔ぶれも半分ほどというコンピ盤。マーヴィンのファンやR&B好きに絞らない幅広い層向け、というのもモータウンらしいでしょうか。
オープニングを飾る曲を歌うのがノーナ・ゲイ Nona Gaye です。
父親がマーヴィン・ゲイ、祖父はジャズ・ミュージシャンのスリム・ゲイラードだというから、これはおそろしい限り。まさに叫び出しそう Make me want to holler! です。

1971年に発表されたマーヴィンのこの代表曲、2024年の今年に聴いても突きつけられるような歌詞を持っていますが、こちらのカバーは。
プロデュース、ベースはミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello によるもの。
そして副プロデュース、ギターのウェンディ・メルヴォイン Wendy Melvoin と、キーボードのリサ・コールマン Lisa Coleman という、つまりウェンディ&リサも参加。
また、ハイハットとして Terry Linn Carrington(Terri Lyne Carrington)やパーカッション等にジャズ屋の名前が。顔ぶれを見ても楽しそうな、単なるゲスト・プレイヤーの集まりではないような。ミックスはボブ・パワー Bob Power です。

マーヴィン・ゲイに関しては、これまでも歌詞に名前が出てきたり、ベース・ラインがとある曲そっくりに似せた曲があったりと、ミシェルも思い入れが強いのではと思われますが。
トリビュートに参加できて、この曲のカバーを仕切ったことは喜ばしい限り。ではありますが、これよりさらに、これ以上に、となると。
もしもミシェル自身がボーカルをやって、もっとメンバー各自が好きにプレイしていたら、などと想像してしまうことも確かで。やっぱり、そちらを聴いてみたい気持ちに。

曲がエンディングを迎える最後の引き際になって、静かにミシェルの声が聴こえます。Listen, Listen to me と歌います。Yes, もちろん貴女を聴いています。