2023年8月15日火曜日

The RH Factor “Hard Groove”

Poetry
Kwah/Home

2003年。ロイ・ハーグローヴ Roy Hargrove のこのアルバム、言うまでもなくカッコ良く、気持ち良く。
ディアンジェロ D’angelo のアルバム “Voodoo”(2000年)に参加したとか、その流れから(ジャズ界隈のファンを忘れることなく)独自に作成されたとか、というような背景を知らなくても、とにかく気持ち良く。

そのディアンジェロを始め、あの人もこの人も参加、と気になるゲストの名前が散見されるアルバムですが、ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello の名前が記されたのは2曲。
特に “Poetry” は、このアルバムの気持ち良さを代表するような曲。
ミシェルを始めとして、参加メンバー皆が絶妙で。もしもミシェルがらみでお気に入りの曲を集めたベスト盤を自作するなら、これはオープニングの一曲めに置きたいほど。

ボーカルはエリカ・バドゥ Erykah Badu ですが、各メンバーそれぞれの個性を活かした使い方に、ロイ・ハーグローヴの巧者ぶりがうかがえます。
ロイ・ハーグローヴは彼女のアルバム “Mama’s Gun”(2000年)と “World Wide Underground”(2003年)にも参加していますが、ひょっとすると彼女のアルバムよりも魅力的に聴こえたりして。

ミシェル・ンデゲオチェロもデビュー以来、ゲストとしてさまざまなアルバムに参加。数多くの曲が方々に散らばっています。
ベースのプレイにしても、ボーカルにしても、もちろん唯一無二のプレイヤー。どこであろうと、素晴らしい働きぶりを聴かせます。ではありますが、自由というか節操がないというか、とっ散らかっています。



2023年4月8日土曜日

The Power of the One

2020年。前作の “World Wide Funk”(2017年)と、そして今作と、どうもうまく馴染めないところが。正直、一枚聴き通すのが長いというか。

前作は新規の歌ものが多め、そして今作ではいかにもPファンクな曲を(また焼き直して)やっていたりするだけに、なおさらに。
“The Funk Capital of the World”(2011年)と比べても、ドラムのビートが早急で、直線的なノリに。この一本調子は意図してのもの、なのでしょうが。
平板なバランスを突き破るような異物、スペース・ベースも、、、。

以前のアルバムを聴けば、バーニーやるよな、ホーニーホーンズってシャレてたな、等々、やはり単純に楽しく。とはいっても、すでに古い仲間は遠く。今や孤軍奮闘といってよいのかどうか、案外、これで若返りを図っていたりするのかもしれないし。

それでもアルバムの締めくくり、最後の曲である、“Stolen Dreams” には救われました。
若手のボーカルとか、ジャズ屋の巧いプレイとか、ブーツィー以外が弾いているベースとか、別に聴きたいわけでもないそんな部分は無くても。この曲だけは、もっと倍の長さがあれば良いのに。
ブーツィーのゴムもだいぶ硬くなってしまった、としても、この曲のような部分は変わらないか。



2023年1月2日月曜日

World Wide Funk

2017年。この前年には、バーニー・ウォーレルが旅立ってしまいました。ブーツィーの傍らで、あのストレンジな音が鳴ることはなくなり。
アルバム “The Funk Capital of the World”(2011年)で、一区切りがついた、といえましょうか。

そしてこれ、CD盤を入れた内袋には、グッドヴァイヴの新しい福袋、と大きく記載。
World Wide Funk Music Is The New Fresh Bag Of Good-Vibes

ベース・プレイに関してはブーツィーが一歩下がって、他のベース弾きを前に立てた、そんな曲が目立ちます。若手と思われる面々も多く起用されていますし。
アルバムの終盤には、アッパーな曲をたたみかけて(いつになく)ストレートに盛り上げたり、というサービスまでも。

The New Fresh な、というのが何かはともかく。それがバーニー不在の代替となっているかもさておき。
なにより、このアルバムからは、ブーツィー自身のベース・プレイがますます控えめに。なにやら分厚くて派手な音に紛れこむように引っ込んでいます。



2022年12月29日木曜日

The Funk Capital of the World

2011年。前作であるクリスマス企画アルバム “Christmas Is 4 Ever”(2006年)に手応えを感じたのでしょうか。ここで改めて、その延長上のサウンドで攻めてきます。

ゲストも多数登場しますが、シーラEのように最高だったり、とある俳優さんのようにちょっと邪魔だったり、と様々。
やはり、別格なのはクリントン親分ですか。ゲイリー・シャイダーの奥さまと共に、時は誰も待たない、“Time Waits For No One” とささやく “Garry Shider Tribute” にはやられます。

正直どこかで聴いたことがあるような曲、フレーズも多めですが、これまでの集大成と思えば、それも良し。
クリスマス・アルバムに比べれば全体にシリアスめ。分厚い音の隅々から隙間まで、もうみっちりと凝った編集されて濃いめです。

前作のようにお気楽に、奔放なベース・プレイがもっと聴けたら、とかありますけど。
ラストの曲 “Yummy, I Got The Munchies” は7分ほどありますが、ここでさらに、宇宙の星空に向けてスペース・ベースの大爆音を大爆発させていたら、もう文句なしの大団円を迎えていたのに、とか。

なぜなら、集大成であるこの後に続くアルバムが、蛇足、補足、、、



2022年10月2日日曜日

Silk Sonic “An Evening With Silk Sonic”

“After Last Night (with Thundercat Bootsy Collins)”

2021年。アルバムのオープニングを告げるイントロを始め、所々にブーツィーの語り有り。
Special Guest Host Bootsy Collins
と謳われている割には、どれも語りは短く、ブーツィーの存在が目立つわけではなく。

裏ジャケットにもわざわざブーツィーの顔を掲載。という扱いと内容の方が釣り合っていない、という例は過去にも他にありました。

Stevie Salas “The Soulblasters Of The Universe”
スティーヴィー・サラス、2004年のアルバム。こちらにも裏に大きくイラストが。まるで主役級のサイズ。実際はブーツィーの声がほんの少しだけ、こじつけ程度に。ブーツィー目当てを狙った詐欺ではこれが最大でした。




2022年9月5日月曜日

Ben E. King “Supernatural Soul”

“Supernatural Thing, Part 1” Feat. Bootsy Collins

2022年。ベン・E・キングの新譜。オープニングがかの “Stand By Me” の再演で、続く2曲めがブーツィー参加のナンバー。ですがこれも自身による1975年のヒット曲の再演であります。
2015年に他界しているベン氏ですから、録音してあったボーカルに合わせて新録した、後付けのバックという形。結論からいえば、あっさり風味、オリジナルと比べるというものではなく。

まあ高齢だろうと思われるファン層に向けての、無害なナツメロというさじ加減でしょうか。ブーツィー参加というものの、ボーカルは無し、出しゃばらない、このプレイではないかという音。
ちなみに担当プレイヤーやアレンジャー、音楽監督等の諸々に関するクレジットは一切記載なし。

それではブーツィー起用の意味がない、となるかといえばそうでもなくて。これはこれで今のブーツィーかもと思うと、ごく自然に気持ち良く聴けるような。 
ブーツィーの2020年代のこれからのアルバムは、このような素直にクラシックな路線でいくというのは有り? 
なおインスト版も収録。ただベンの声を抜いただけのカラオケですが、ブーツィー好きにはマル、有り難い。