2024年8月15日木曜日

Basement Jaxx “kish kash”

Right Here’s The Spot
feels like home

2003年。ベースメント・ジャックスは電子音楽系のダンス・ユニットと紹介される二人組み。
2002年3月から2003年7月の間に英国でレコーディングされた、と記されているアルバムは、ベースメント・ジャックス本人たちによるプロデュース。これが騒々しい、あわただしい曲が目立つもの。
ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello は二曲に参加。

“Right Here’s The Spot” はミシェルはボーカルのみ。オープニング曲に続いての二曲めで、アルバムの騒々しさを体現するような、例えばアフリカ出身の歌手がテンション高く歌っても似合いそうなノリの良さ。
“feels like home” は一転して、アルバムのエンディング、締めくくりとなるスローな曲。こちらは陰というか。プロデュースにはミシェルの名前もあり。ボーカルに加えてブチブチと不気味なベースも聴かせます。

この二曲はミシェル自身も作曲のクレジットに名を連ねていて、動と静にくっきりと分かれるもの。陽と陰、あるいはそう & うつ、とまるでアルバムが持っている振幅の両端にあるような落差の大きさですが、その点、ベースメント・ジャックスもミシェルに大役を任せたなといいますか。

ミシェルもきっちりそれに応えた形でありますが。
“Right Here’s The Spot” で聴かれるようなエスニックといいますかアフロ・ポップな感じというのは、2000年代に入ってからのミシェルにはますます重要なサウンドですし。
“feels like home” も、ミシェルならではの(幽玄とまではいかないけども)静けさで。
いつも通りに、なにか出し惜しみしたとは思えないコラボであります。それだけに、(欲張りなことに)もしもミシェル単独で仕上げていたら、どうなっていたのかな、という考えが。