2024年2月3日土曜日

How Stella Got Her Groove Back Soundtrack: Music From The Motion Picture

Me’Shell NdegéOcello
“Let Me Have You”

1998年。映画は日本未公開ながら、ビデオスルー(DVDスルー)ということで邦題は「ステラが恋に落ちて」。サントラ盤の方は日本版ありで、ジャム&ルイス Jimmy Jam & Terry Lewis による全面プロデュース、英米のヒットチャートに登場しそうな方々(のたぶん新曲ばかり)が並ぶコンピ盤です。

映画の舞台がジャマイカだからレゲエ寄りの人選が多いのも少し意外でしょうか。R&B寄りのレゲエという点では、マキシ・プリーストなどはヒットしそうな好曲ですが。
そんなにぎやかな顔ぶれの中に、ジャム&ルイスとミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello の組み合わせ。地味です。

結論からいえば、ミシェルのオリジナル・アルバムには未収録の曲ですが、そちらに収まっていても遜色ないスローナンバーです。
ジャム&ルイスは出しゃばらずにアシストしたという感じ。ヒットとは無縁の仕事ではありますが。
彼らが80年代に手がけたS.O.S.バンドの名バラード群なんかもありますし、ジャム&ルイスがプロデュースしたヒット狙いのミシェル、という曲ももっと他に聴いてみたいような。

この曲では副プロデュース、作者としてミシェルの名前がクレジットされていますが、それ以外の記載はなし。シンセ一台があれば事足りそうなシンプルなバックですから、ミシェル一人でコンポーズしたのかもしれません。流麗なストリングスも入ってくるのではありますが。
あなたを待っている、ここから連れ出して、という待ち人来らずな歌詞ですが、この曲タイトル “Let Me Have You” を直訳すると、わたしを離さないで、でしょうか。
ミシェルとしては、かってプリンスとも縁のあったジャム&ルイスのことをどう思ったのでしょうか。

もしもミシェルがらみでお気に入りの曲(とかオリジナル・アルバムには未収録の曲)を集めたベスト盤を自作するなら、まず第一集としては、主に彼女の90年代の仕事から選んだものになるかと。(と勝手に想定すると)この曲は、そのCDのラストに配置、第一集のエンディングを締めくくる曲として良いかも。
ミシェル氏、守備範囲は広がる一方で、節操なし。頼もしくも楽しい限り。