2024年5月25日土曜日

The Hurricane (Music from and Inspired by the Motion Picture)

Me’Shell NdegéOcello
“Isolation”

2000年。映画「ザ・ハリケーン」のサントラ盤。レイ・チャールズ、ボブ・ディランら超大物からそれなりの名前が並ぶコンピ盤。
ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello が提供した一曲は、ミシェルの作、プロデュースはミシェルとデヴィッド・ギャムソン David Gamson(ミックスも)。クレジットの記載はこれだけで、詳細はわからず。

演奏は二人だけなのでしょうか。
タイトルの通りに、孤立、隔絶された状態について、ミシェルがつぶやいていきます。シンプルなビートに、不穏なムード、誰かをなじるというよりは、現状への不満をタラタラとぼやいているような。

隔絶といえば、例えば男女の性差や、宗教観や国籍の違い、あるいは牢屋の中と外とか、状況もさまざまでしょうけれど。当事者として、分け隔てられた側から歌われる歌詞は、簡単には翻訳できず。意訳というか解釈もかなり必要な。
ミシェルの曲の中では、音楽よりも歌詞、言葉の方に寄った一曲でしょうか。とはいえ、まるでブーツィーか、というブチブチのベースも聴かせていますけど。
なにかのインタビューで、デヴィッド・ギャムソンはブーツィーやファンクが大好きなのよと言っておりましたっけ。

歌の後ろでずっとハーモニカが聴こえますが、ミシェルとも何度か共演しているグレゴア・マレ Grégoire Maret かもしれません。
ミシェル自身のアルバムには未収録。これ以降に、デヴィッド・ギャムソンとの仕事はなかったかと。



2024年5月18日土曜日

Scritti Politti “Anomie & Bonhomie”

Die Alone
The World You Understand (Is Over + Over + Over)

1999年。スクリッティ・ポリッティはグリーン・ガートサイド Green Gartside を中心とした英国のロック・グループ。80年代に、彼らと密接に関わっていたデヴィッド・ギャムソン David Gamson が、このアルバムの数曲にプロデュースやミックスで参加。その内の2曲に、ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello もベースとボーカルで参加。

デヴィッド・ギャムソンは、ミシェルのファースト・アルバム “Plantation Lullabies”(1994年)とセカンド・アルバム “Peace Beyond Passion”(1996年)にプロデュース等で関わった人物。
アルバムの他にも、ミシェルとはサントラや企画もの等のコンピ盤のためや、ゲストに招かれたりといった単発の仕事を数多くこなしてきた人物。
両者とも多方面の幅広いジャンルに対応できますし。お互いに招いたり招かれたりの協力関係だったかと思われますが。

このアルバムには、ミックスでボブ・パワー Bob Power や、ウェンディ&リサのウェンディ・メルヴォイン Wendy Melvoin 、それに Allen Dariest Cato といった方々も参加。ミシェルの仕事でもその後も見かける顔ぶれです。
2曲ともにミシェルのベースが走って、ボーカルも少々。特に “Die Alone” の冒頭1分ちょっとはミシェルも引き立って、このパートがずっと続いても良いのですが。

この年のミシェルの三作めのアルバム “Bitter” のプロデュースはクレイグ・ストリート Craig Street に。



2024年5月3日金曜日

Indigo Girls “Come On Now Social”

We Are Together
Compromise

1999年。インディゴ・ガールズ Indigo Girls はジョージア州アトランタ出身の女性デュオ。小学校で出会って以来のつきあいという二人だそうですが、多くにフォーク・ロックなどと紹介されております。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello は2曲にベースで参加。さわやかめの曲に激しめの曲と、デュオそれぞれの持ち味が活かされたという2曲ですが。
ミシェルに関しては、さほどの聴きどころは認められないような。

ベースのプレイはズビズビといつも通りの手抜きなし。ですが両曲ともに、これといって印象に残らず。使い方でしょうか。たまたまやっていた曲に参加してもらった、なんてこともあるでしょうから。

ところでライナーノーツの最後のページには、“Resources” として九つほど活動団体の名前とアドレス、活動内容の紹介が記載されています。いずれも弱者や少数派を支援するような団体等のようで、例えば筆頭に挙げられているのは、
Women’s Action for New Directions (WAND)

(楽曲よりも)こんなところでミシェルとつながっているのかも、なんて思ったりもして。