2023年。この曲の作者はギル・スコット・ヘロン、彼とブライアン・ジャクソンの二人の名義のアルバム Gil Scott-Heron / Brian Jackson “Winter In America”(1974年)に収録。そもそもこの元曲が良いわけですが、きっちりと作りこまれた、印象的なカバーになっております。
ドラムはカーマイン・アピス、ギター、ベースでフェルナンド・ペルドモと、Carmine Appice & Fernando Perdomo Project のコンビに加えて、さらにフルート、エレピでオリジナル版のご本人であるブライアン・ジャクソンが参加。ブーツィーのボーカルも聴かせる仕上がりに。
この曲、都市の生活をシリアスに歌った内容ですから、おいそれと(例えば白人のロッカーが気軽に)カバーできるような曲ではないのも確かで。今回はその辺りもクリアしたブレンド具合、ミルク多めの黒すぎない出来ばえでありましょうか。
ジャズ・ロックなんて懐かしの名前も思いだされる、ジャズというよりは温度高めのガッツ溢れるギター・インストといった曲が並ぶ中、唯一ボーカル入りのこの一曲が、あえてのギル・スコット・ヘロン、あえてのブーツィー起用とは。ロック好きにはどのように聴こえるのでしょうか。
バンド名というかアルバムの名義が、フュージョン連合(そのまま訳せば、混じり合った集まりとも)ですが。