2023年10月20日金曜日

Meddle Reimagined - A Tribute To Pink Floyd

One Of These Days

2023年。このアルバム、先の2021年にリリースされた “Still Wish You Were Here: A Tribute To Pink Floyd” に続くトリビュート企画の一枚。つまりピンク・フロイドのカバー集ですが、「炎~あなたがここにいてほしい~」に続く、タイトルを訳せば「おせっかい再考」でしょうか。前回に引き続いて、今回もブーツィーの抜擢であります(理由は?)。

アルバム1曲めの(邦題もあまりに有名な)「吹けよ風、呼べよ嵐」にブッチャー、じゃないブーツィーが参加。スペース・ベースをぶにょぶにょ、ベンベンやってます。ドラムはカーマイン・アピス Carmine Appice が。
前作では12分30秒以上という長さの “Shine On You Crazy Diamond (Parts 6-9)” でしたが、今回はその半分くらいの5分40秒で、ベース・プレイもよりストレートに目立ってます。

ピンク・フロイドのアルバムを丸ごとカバー、というのも凄いのか安易なのかわかりませんけど。ブーツィーも連続してのゲスト参加ですから、このシリーズ、もし3作めもあればまたお願いしたいところ。次はどのアルバムかな、と予想するのも楽しいでしょう。(ピンク・フロイドを聴いたことがありませんけど)次回は、ブーツィーが主役となるような曲で、スペース・ベースの轟音ソロもぜひ。




2023年10月14日土曜日

Living Single (Music From And Inspired By The Hit TV Show)

Chaka Khan “Pain”

1997年。アメリカの人気TVコメディ番組「リヴィング・シングル」のサントラ盤、だそう。どんな番組なのかは未見ですが、チャカ・カーンは彼女自身の役で出演とのこと(ウィキぺディアに記載が/ Chaka Khan as herself (Season 5, Episode 6))。
番組内では歌コーナーがあって、そこでのスタジオ・ライブなのでしょうか。音を聴く限りそのような感じに聴こえますが。バックの演奏は前もっての録音なのかもしれません。

ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello のベースを始め、ドラムはレオン・ンドゥグ・チャンクラー Leon Ndugu Chancler 。
他の顔ぶれとしては、ギターにワーワー・ワトソン Wah Wah Watson、サックスにジョシュア・レッドマン Joshua Redman、プロデュースは(キーボード&プログラミングも)デヴィッド・ギャムソン David Gamson、とこの辺りはミシェルのファースト(1993年)とセカンド(1996年)のアルバムでもお馴染みな。
ベースに関してはもう一人、アコースティックベースのクレジットもあって。ジャズなパートではそちらが、ダンサブルなパートに関してはミシェルがプレイと、凝ったアレンジのされた曲であります。チャカは難なく乗りこなして歌いあげてますけど。
豪華なバッキングですが、それに見合うボーカルですもの。

この曲も、それからチャカのベスト盤 “Epiphany: The Best Of Chaka Khan Volume One” (1996年)に収録されていた新曲も、チャカのニューアルバム “Dare You To Love Me”(1995年)として、まとめられて発売予定されていたらしい。そしてこの曲は元々が、ロージー・ゲインズ Rosie Gaines のアルバムのために用意された曲だったらしく、歌詞の方でプリンスが絡んでいたそうな。
結局、どちらのアルバムにしても発売中止で。これは奇遇、というか、そんなことは米国ではよくある話なのかもしれません。



2023年10月7日土曜日

Chaka Khan “Epiphany: The Best Of Chaka Khan Volume One”

Never Miss The Water
Every Little Thing

1996年。チャカ・カーンの、ベスト盤。それまでのヒット曲、代表曲を集めた前半に加えて、後半には現在進行の新曲を並べて構成された一枚。
新曲の方にはデヴィッド・ギャムソン David Gamson も関わっていて、そのつながりか、ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello が2曲に参加している形です。

“Never Miss The Water” は当時最新のチャカ・カーンを伝えるフロア向け曲。
ミシェルのなめらかなベース・ラインが曲の土台を支えながら、要所に入る彼女のボーカルもキモ。個人的にはチャカ・アンド・ミシェルとしても良いぐらいでしょうか。
シングル盤にはリミックス版も多数あって。ちなみにギターでワーワー・ワトソン Wah Wah Watson の名前も。

“Every Little Thing” は比べれば地味めながらジャズの香りが。こちらの曲でもミシェルのクールなベースが走っています。

チャカのボーカルは余裕しゃくしゃく、年季というものを楽しませてくれます。 
チャカ・カーンは、やはりジャズを忘れないですね。ここでも、エラ・フィッツジェラルドの(愛すべき)想い出に捧ぐ、と謝辞を記していたり。エラの最晩年は泣けますし。チュニジアの夜もやってます。