2017年7月31日月曜日

William Shatner “Seeking Major Tom”

“She Blinded Me With Science”
Featuring Bootsy Collins, Patrick Moraz

2011年。あのカーク艦長で知られる俳優ウィリアム・シャトナーのアルバム。直訳すれば「トム少佐を探して」というタイトルですが、メイジャー・トムとはもちろんボウイのあの曲から。宇宙やSFに関わる曲が集められて、多数の有名ゲストも呼ばれてカバーされています。

ブーツィーが参加しているのは、トーマス・ドルビー Thomas Dolby の1982年のヒット、邦題は「彼女はサイエンス」。主役はあくまでもウィリアム・シャトナーの語り、ボーカルというアルバムですので、サウンドは引き立て役、添え物という仕上がりです。

ジョージ・クリントン親分とも共演したトーマス・ドルビーの曲ですし、アルバムのテーマといい、もう少しなんとかなれば。もし次にクリンゴン人を主役にしたアルバムを制作するのであれば、その時こそ思いきりPファンク軍団に暴れてもらいましょう。


Back in the Day: The Best of Bootsy

1994年リリース。1976年-1982年のワーナー時代のグレーテスト・ヒッツ集。コンパクトにまとめた一枚ものながら、価値あるベスト盤です。

ブーツィーがラバーバンド以前に組んでいたハウスゲスツ(House Guests)の、1971年のシングル盤 “What’s So Never The Dance”。
ラバーバンドのデビュー盤から “Psychoticbumpschool” が、これは1976年のPファンク・アース・ツアーに同行した際のライブ版で。
そして1980年、ラバーバンド後のブーツィ初のソロ・アルバム “Ultra Wave” から、7インチのシングル盤 “Mug Push” のウラ面に収録されていた “Scenery”。

と、この3曲がポイント。1982年のシングル盤 “Body Slam!” も収録されていますし、この後の2001年にライコから出された2枚組のベスト盤と比べても、今でも価値の高い一枚です。


2017年7月30日日曜日

The Official Boot-Legged-Bootsy-CD

2008年。ブーツィーのプライベート・レーベル、Bootzilla Productions からリリースされたコンピレーション・アルバム。盤はCD-R。

全13曲中に、他には未収録でここでしか聴けないものが5曲。その内の3曲は、1993年の Bootsy’s New Rubber Band “Blasters Of The Universe” から、新たにボーカルやラップを差し替えたリミックス版となるもの。
残りは、1997年の “Fresh Outta ‘P’University”、1988年の “What’s Bootsy Doin’?” から既出のままの収録。
各曲のタイトルはなぜか適当なものに変更されています。直販ということで権利的なからみでもあるのかもしれませんが、ただ遊んでいるだけかも。

このアルバムはベスト盤と言ってよいものなのでしょうか。もしも今後、きちんと80年代以降のブーツィーのベスト盤を作るとなれば、単純にブーツィ自身の曲を集めるだけでなく、様々にゲスト参加した曲もうまくからめて欲しいものです。それが無いと楽しくならないでしょう。


2017年7月27日木曜日

Funkadelic “First Ya Gotta Shake The Gate”

2014年。ファンカデリックのCD3枚組33曲。さすが、だらだらと長いです。
この「さすが」がホメ言葉だったりその逆だったり。

各曲のメンバーを見ますと、老いも若きも鬼籍に入っていたりもいなかったりも、幅広い顔ぶれが召喚。ブーツィーの名前がクレジットされているのは2曲のみです。
“Boom There We Go Again” ではベース、パーカッションで。こちらには鍵盤でバーニーも参加。“Meow Meow” ではベース、ギターで。
録音はいつ頃のものでしょうか。ブーツィーとバーニーの残した素材を使ったということでしょうか。

また、ラバーバンド時代の曲、“As In” もジェシカ・クリーヴス(Jessica Cleaves)のボーカルによるリメイク版が収録されています。
こちらはコーデル・モースン(Cordell “Boogie” Mosson)のベースに、タイロン・ランプキン(Tyron Lampkin)のドラム、それに鍵盤とストリング・アレンジメントでバーニー、となっていますから、この曲のベーシックな部分もかなり過去のものでしょうか。

このアルバムを聴きながら想うのは、どうしてもPファンクのこれからでしょう。昔の名前はいつまで使えるものか。果たしてどんな名前ならば、認めてもらえるものか。とにかく、新たなヒット曲が欲しいところでしょうか。クリントン親分の悩みも吹っ飛ぶような、それさえあれば。
と言いつつも、新曲が聴きたいのか、それとも往時の未発表曲として聴きたいのか、という悩みも。


2017年7月9日日曜日

LL Cool J “Authentic”

“Bartender Please” (featuring Snoop Dogg, Bootsy Collins and Travis Barker)

2013年。この曲の冒頭30秒ほど、ブーツィーのベースとボーカルにTravis Barkerのドラムだけで展開される導入部が、なんとも言えずバウンスしていて、実にファンク。
すぐに本編が始まってしまいますが、ブーツィー目当てであればこのパートだけでOKです、なんて。スヌープだと、この部分に絞って一曲展開、ファンクに仕上げるのでは、などと考えたり。


2017年7月2日日曜日

Fred Wesley featuring Jab'o Starks & Clyde Stubblefield with Bootsy Collins “The Godfather of Soul TRAIN”

2008年。“Funk For Your Ass - A Tribute to the Godfather of Soul” のリミックス盤。
Afrika Bambaataa、Chuck D、それにJim O'Rourke といった面々が、それぞれに趣向を凝らしたバージョンを披露しています。
ブーツィーも “Livin’ In America” を自身でいじって “Chilli’n & Dealin’-N-Amerika” としたナンバーを収録。こちらはフリークベース(Freekbass)も参加した、ベースを強調した音になっています。

アルバムの売りとしてはもう一点、スペシャル・ギフトとされたオマケの2曲。
“Clyde” - Gift track from Fred Wesley
“Man Maid Child” feat. DJizzle - Gift from the (Booted-One) 

“Man Maid Child” はブーツィーとキャットフィッシュに、さらにバーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)とレザーシャープ(Joel "Razor Sharp" Johnson)が参加しているナンバー。最後に置かれた、ブーツィーの今現在の音。


2017年7月1日土曜日

Fred Wesley featuring Jab'o Starks & Clyde Stubblefield with Bootsy Collins “Funk For Your Ass - A Tribute to the Godfather of Soul”

2008年。御大JBとボビー・バードに捧げる一枚。
全16曲中の11曲が、フレッド・ウェズリー(Fred Wesley)のプロデュースによる、JBズを再現したようなインストもの。
残る5曲が、ゲストを招いてのボーカルもの。こちらのプロデュース担当がブーツィー。

“Livin’ In America”
“Man’s World”
“Lap-Dancer”
“Out Of Sight”
“Let It Flow”

ブーツィーによるスペース・ベースが活躍するのは2曲。“Livin’ In America” のカバーと、ボビー・バード(Bobby Byrd)を招いた “Let It Flow”。ブーツィーと共にキャットフィッシュ・コリンズ(Phelps "Catfish" Collins)のギターもいます。
そして、“Lap-Dancer” ではオハイオ・プレイヤーズのシュガーフット(Leroy “Sugarfoot” Bonner)とボーカル共演し、“Out Of Sight” ではドラムもプレイといった具合。
この5曲が良いアクセントになって飽きさせませんが、アルバムとしては基本、フレッド担当の曲がメイン。

大半の曲をジャボとクライドが叩いていますが、そうでなくとも、フレッドとは長いつきあいとなるドラムのBruce Cox、ベースのDwayne Dolphin がさすがの一言。このコンビによるアルバムのタイトル・ナンバー “Funk For Your Ass” は、トップを飾る一曲めに置かれて、これが思わず引きこまれる熟練とスリリングさ。ジャズ屋でもある二人だけに、活きが良いです。