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2003年。Brother Jacques とは、ジャック・シュワルツバルト Jacques Schwarz-Bart の別名(dubbed)とのこと(ウィキペディアより)。
サックス吹きである彼は、カリブ海は西インド諸島のなか、フランスの海外県であるグアドループ Guadeloupe の生まれだそう。ジャック・シュヴァルツ - バルト、カタカナには難しい名前であります。
彼は、ディアンジェロ D’Angelo の2000年ライブ・ツアー The Voodoo Tour に参加、あの The Soultronics の一員でありました。
そしてロイ・ハーグローヴがグループとして発表したアルバム Roy Hargrove Presents The RH Factor “Hard Groove”(2003年)にも全面的に参加。プレイヤーとしてはもちろん、本人の作による一曲、“Forget Regret” も収録されて。ここでボーカルを取った Stephanie McKay は、彼の奥さまなのだとか(ウィキペディアより)。
そんな流れの延長にこのアルバムも。ジャック・シュワルツバルトに加えて実力派のメンツ(ドラムは Terreon Gully 、ベースは Jonathan Maron 、鍵盤の Jason Lindner )が、じわじわと聴かせます。
ロイ・ハーグローヴが色あざやかとすると、こちらはモノトーンな印象でしょうか。静かめながら、ファンクしてます。
“Forget Regret” も、こちらの方のメンバーでの演奏版で収録。ロイ・ハーグローヴ版とどちらを先に録音したのかは不明ですが、ボーカルは同じく奥さまが。この方、アルバムの数曲を歌っておりますが、他にも独自に活動している模様。
ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello がベースで参加したのは、アルバムのラストを飾る曲。ジャックと共に作曲(Composed)、副プロデュースとミシェルの名前がありますが、かなり地味であります。
ドラムがミシェルとはもちろん、スティーブ・コールマン Steve Coleman 等で叩いている実力派のジーン・レイク Gene Lake ですが。たまたまスタジオ見学に来たら即興でできたのかな、とそんな感じもする、良くいえば、素材の味深いオマケ曲でありましょうか。
このアルバムはフランスではストレートに、Jacques Schwarz-Bart “Rise Above” として発売(2010年)。2曲がカットされて、中盤の曲順も異なっていたりして、おそらくファンクな印象を強めたダイエット仕様ではないかと思われます。ジャケットもシャープなデザインに。
現在、ジャック・シュワルツバルトはフランスを拠点に、もっとカリブ海寄りの音を意識したジャズを聴かせたりしているようです。聴いてみたいアルバムもあり。
なお、鍵盤を担当したジェイソン・リンドナー Jason Lindner ですが、2009年の彼のアルバムはミシェルがプロデュースをすることに。ドラムはマーク・ジュリアナ Mark Guiliana が叩いておりますが、その後、ジェイソンとマークの二人は共に、D. ボウイの遺作となるアルバム製作のセッションに参加します。