アリッサ・グラハムは米国の歌手。さわやかなクセのない声、カントリー・テイストをうまくフォーキーに仕上げて、ゆったりとしたメロディで。このアルバムは日本版も発売。
逆にクレイグ・ストリートということでは、彼らしいダークな面までも期待すると少々物足りないかも。夜半ではなく、良く晴れた日中にも聴ける作品ということで。
ミシェルが目当てとなると、また違う聴きどころが。
クレイグ・ストリートのプロデュースしたこちらのアルバム3種には、ミシェルだけでなく、この時期のミシェルのオリジナル・アルバムの制作に携わったバンドの顔ぶれも幾人か参加していて。
ミシェルのこの時期のアルバムというのが、
“Devil’s Halo”(2009年)、“Weather”(2011年)、それに、“Pour une Âme Souveraine: A Dedication to Nina Simone”(2012年)(ニーナ・シモン追悼作)。
ギターの Christopher Bruce (Chris Bruce) は、ミシェルのこの3作品と共に、クレイグ・ストリートのプロデュースしたアルバム3種にもすべて参加。
かってPファンク一派の若手バンド、インコーポレーテッド・サング・バンドの一員だったギター弾き。アルバム INCorporated Thang Band “Lifestyles Of The Roach And Famouth”(1988年)でもしっかり弾いています。
ミシェルとPファンクのつながりや、しかも相当に頼りにされたというのが嬉しいところ。
それどころか彼は、ミシェルの “Comet, Come to Me”(2014年)、“Ventriloquism”(2018年)、“The Omnichord Real Book”(2023年)、“No More Water: The Gospel of James Baldwin”(2024年)とその後も現在までアルバムに参加し続けているのが驚き。ミシェルの女房役なのか懐刀なのか、その変化にずっとつき合っているのは確かで。