2022年12月29日木曜日

The Funk Capital of the World

2011年。前作であるクリスマス企画アルバム “Christmas Is 4 Ever”(2006年)に手応えを感じたのでしょうか。ここで改めて、その延長上のサウンドで攻めてきます。

ゲストも多数登場しますが、シーラEのように最高だったり、とある俳優さんのようにちょっと邪魔だったり、と様々。
やはり、別格なのはクリントン親分ですか。ゲイリー・シャイダーの奥さまと共に、時は誰も待たない、“Time Waits For No One” とささやく “Garry Shider Tribute” にはやられます。

正直どこかで聴いたことがあるような曲、フレーズも多めですが、これまでの集大成と思えば、それも良し。
クリスマス・アルバムに比べれば全体にシリアスめ。分厚い音の隅々から隙間まで、もうみっちりと凝った編集されて濃いめです。

前作のようにお気楽に、奔放なベース・プレイがもっと聴けたら、とかありますけど。
ラストの曲 “Yummy, I Got The Munchies” は7分ほどありますが、ここでさらに、宇宙の星空に向けてスペース・ベースの大爆音を大爆発させていたら、もう文句なしの大団円を迎えていたのに、とか。

なぜなら、集大成であるこの後に続くアルバムが、蛇足、補足、、、



2022年10月2日日曜日

Silk Sonic “An Evening With Silk Sonic”

“After Last Night (with Thundercat Bootsy Collins)”

2021年。アルバムのオープニングを告げるイントロを始め、所々にブーツィーの語り有り。
Special Guest Host Bootsy Collins
と謳われている割には、どれも語りは短く、ブーツィーの存在が目立つわけではなく。

裏ジャケットにもわざわざブーツィーの顔を掲載。という扱いと内容の方が釣り合っていない、という例は過去にも他にありました。

Stevie Salas “The Soulblasters Of The Universe”
スティーヴィー・サラス、2004年のアルバム。こちらにも裏に大きくイラストが。まるで主役級のサイズ。実際はブーツィーの声がほんの少しだけ、こじつけ程度に。ブーツィー目当てを狙った詐欺ではこれが最大でした。




2022年9月5日月曜日

Ben E. King “Supernatural Soul”

“Supernatural Thing, Part 1” Feat. Bootsy Collins

2022年。ベン・E・キングの新譜。オープニングがかの “Stand By Me” の再演で、続く2曲めがブーツィー参加のナンバー。ですがこれも自身による1975年のヒット曲の再演であります。
2015年に他界しているベン氏ですから、録音してあったボーカルに合わせて新録した、後付けのバックという形。結論からいえば、あっさり風味、オリジナルと比べるというものではなく。

まあ高齢だろうと思われるファン層に向けての、無害なナツメロというさじ加減でしょうか。ブーツィー参加というものの、ボーカルは無し、出しゃばらない、このプレイではないかという音。
ちなみに担当プレイヤーやアレンジャー、音楽監督等の諸々に関するクレジットは一切記載なし。

それではブーツィー起用の意味がない、となるかといえばそうでもなくて。これはこれで今のブーツィーかもと思うと、ごく自然に聴けるような。 
ブーツィーの2020年代のこれからのアルバムは、このような素直にクラシックな路線でいくというのは有り? 
なおインスト版も収録。ただベンの声を抜いただけのカラオケですが、ブーツィー好きにはマル、有り難い。




2022年5月1日日曜日

6 Degrees Of P-Funk: The Best Of George Clinton And His Funk Family

2003年。ジョージ・クリントン親分とPファンクの名前が冠されたコンピ盤。
ポイントはなんといっても、各曲が(当時の)最新リマスター版で収録されているということ。ほとんどの曲をすでに持っていたとしても、聴き比べという楽しみが有ります。

マイコ・ウェイブ Mico Wave の2曲(Instant Replay、Misunderstood)などは、1993年の日本盤CD “Cookin’ From The Inside Out!!!” と比べて音の違いが明らか。

ブーツィーのアルバム “What’s Bootsy Doin’?” から選曲された2曲(Party On Plastic 、Leakin’)については、オリジナルのCD盤(1988年)、英国の SuperBird から出されたリマスターCD盤(2010年)とありますが、大きな違いはないものの、微妙な差異をじっくりと聴き比べしたいところ。

リマスターというのが厄介者で。良い音になったとしても、肝心のベースが引っ込んでしまい聴こえにくくなった?なんて例も。ダンスものでも80年代にあるようなチープさが消えると、逆に寂しかったり。
選曲に関してですが、欲をいうと、12インチ・バージョンでの収録があっても良かったかも。

2022年2月5日土曜日

1st One 2 The Egg Wins

1988年。アルバム “What’s Bootsy Doin’?” から、米国と日本のみでシングル化。
米国版は12インチのアナログ盤で、日本では8cm CDシングルという形でリリース。共通した4バージョンを収録ながら、日本版に関しては潔ぎよくアルバム・バージョンは未収録。

1st One 2 The Egg Wins (Screwin’ Up)  5:43
Conceptus  5:16
1st One 2 The Egg Wins (Street Legal)  4:00
1st One 2 The Egg Wins (Street Legal Instrumental)   5:35

どれもアルバム・バージョン以上に派手で、聴きどころも満載。切り込んでくるスペース・ベース、ギターもうなり上げます。
もしもアルバム “What’s Bootsy Doin’?” を新規リマスターするのであれば、ぜひオマケとして収録を。もう一方のシングル盤 “Party On Plastic” と合わせて、これらはアルバムをさらに強力にブーストしてくれるはずです。
CDとしては日本版のみですし、このまま埋もれたままなのも勿体ない。



2022年1月31日月曜日

Sly & Robbie “Crucial Reggae - Driven By Sly & Robbie”

1982年。スライ&ロビーのからんだ曲を集めたコンピ盤。彼らのコンビ名を冠された、それは数多くあるアルバムの中でも、これはもっともよく聴いている一枚でしょうか。

聴けばワクワクと高揚させられて、思わず眺めてしまうジャケットがまた最高。何年経っても見飽きるということがないイラストであります。スライとそしてロビーの乗りこんだタクシーを絵柄にしたジャケットの中でも、これはピカイチ。
今でもふたりを乗せたタクシーが、あの街この街と走り回っているような。