2021年2月11日木曜日

Sly & Robbie “Taxi Fare”

1988年。スライ&ロビー本人たちのシングル盤曲や、他人のバッキングで手がけた曲など、80年代前半のあちこちからの寄せ集め曲集。

ボーカル曲が主でダブ盤ではありませんが、この時期というのはボーカルの後ろでダブな音が鳴っていたり、全体に統一感もあって気持ち良く。
アルバム “Reggae Greats (A Dub Experience)” の元曲などもあって、意外にあれと対になる一枚かも。

Sly & Robbie “Unmetered Taxi: Sly & Robbie’s Taxi Productions”


2004年。英国の “Pressure Sounds” レーベルからリリースされた、こちらもスライ&ロビーがらみの寄せ集め曲集。
上記の “Taxi Fare” と数曲ダブりますが、全曲がボーカル版に続いてバージョンも収録。悪酔いを誘うようなジャマイカ流のブーストされた音が詰めこまれています。
ここで聴けるブラック・ウフルの “Shine Eye Girl” とそのバージョンの2曲も聴きもの。

他のアルバムCDで聴けるような “Shine Eye Girl” とは、立体感や迫力が違います。ダブ・プレート音源らしいですが、ジャマイカ盤7インチに針を落として聴いてみた、この音で踊っているのかという感じ。
詳細のクレジットはなしですが、さすが “Pressure Sounds” は少々マニアック。



2021年2月8日月曜日

Sly & Robbie “Reggae Greats (A Dub Experience)”

1984年。こちらはスライ&ロビー名義のダブ・アルバム。「アンセム」と同じく、ポール・グルーチョ・スマイクル Paul ‘Groucho’ Smykle によるリミックス集であります。

オープニングはブラック・ウフルの一曲、“Chill Out” のダブ・バージョンから。“Destination Unknown”(目的地不明)と別タイトルが付けられていますが、これが元曲よりカッコ良さ倍増の、実にダブ、実にファンクで。一気に引きこまれます。

ブラック・ウフル以外からもさまざまな曲が集められていますが、ここでは、スライ&ロビーとポール・グルーチョ・スマイクルの名前はまったく同列。「アンセム」と並ぶ鋭角、硬質なダブ・サウンド、音の遊びがたっぷり楽しめる一枚です。

Black Uhuru “The Dub Factor”


1983年。アルバム “Red” と “Chill Out” からの曲のダブ・バージョンを収めたアルバム。こちらも同じくポール・グルーチョ・スマイクル Paul ‘Groucho’ Smykle によるリミックス。ブラック・ウフル名義の直系の一枚ですし、外せない。
2003年のリマスター盤CDには、上記のスライ&ロビー “Reggae Greats (A Dub Experience)” から “Destination Unknown” が、ボーナスの一曲として追加されています。



2021年2月7日日曜日

Black Uhuru ‎“Anthem”

1983年。マイケル・ローズ Michael Rose がいたブラック・ウフルとして、最後のアルバム。
邦題が「アンセム 讃歌」。レゲエがまだ新しく、刺激的なものと注目されていた、当時を物語るような劇的なタイトル、であります。
バッキングはスライ&ロビー。彼らが独自の個性あふれる音を聴かせていた1980年代前半の、異質なほどの魅力をたっぷり味わうことができます。

84年発売時のヴァイナルの日本盤LPというのが、英国向けの UK-Remix 仕様と同じもの。ポール・グルーチョ・スマイクル Paul “Groucho” Smykle によるリミックス版でした。「アンセム」といえばこれ、と刷り込まれましたが。
実は各国の市場に合わせて、オリジナル、英国向け、米国向け、ダブ盤と多くのバージョンが用意されていたアルバムでした。

後の2005年にリリースされたCD4枚組みのセットには、未発表曲も加えてとにかく全部収められていて、こんなスペシャル仕様が実現するほど、ファンの思い入れも強く。
今も、その時々で4つの仕様からどれかを選んでは楽しんでいる、まさしく愛聴盤であります。

ところでスライのカバー “Somebody’s Watching You” には、バーニー・ウォーレルも参加。スライ&ロビーとバーニーの共演というのは、誰のアイディア、お膳立てによるものだったのでしょうか。
なお余談ですが、セットの購入当時には、発売元の “Hip-O Select” レーベルのキーホルダーがオマケでもらえました。