2020年7月3日金曜日

Well Red “Get Lucky”

George Clinton’s Bag ‘O’ Funk(1997)
Classic P-Funk Mastercuts Volume 1(1993)


Pファンクをネタにした両コンピ盤の、どちらにも収録されていたダブリ3曲の内の一曲が、ウェルレッドの “Get Lucky”(1987)。派手な曲調ではありませんが、これがとてもお気に入り。

ウェルレッド(Well Red)は英国の二人組。1987年の彼らのデビュー・アルバム “Motion” では、2曲のリミックス(のみ)をクリントン親分がプロデュース。
“Get Lucky” は、元の英国版アルバムでは5分ちょっとですが、米国向けには7分50秒ほどに尺を伸ばされて、ビートも強調されたサウンドに。(親分がどこまで口をはさんだものか)米国版アルバムには、曲順を変えてオープニング曲として収録。

一方、老舗シリーズ Mastercuts からのコンピ盤に収録されているのは、同じく長尺版ではあるものの、また微妙に異なる音で。

Well Red “Get Lucky (Original 12" Master Mix)”

元の英国版アルバムに近いながら、じわりじわりと焚きつけてくるような、くすぐられ感はこれが一番。米国産ファンクにはない魅力かも。

Well Red “Respect Due”


そしてウェルレッドのセカンド・アルバムですが。
1988年のアルバム “Respect Due” では、クリントン親分が(リミックスでなく)4曲をプロデュース。英国のPファンク傍系バンドとして、ぐっとそれらしいサウンドに。アンプ・フィドラー(Amp Fiddler)が参加した “Hard” を始め、こちらにも、もったいない曲が埋もれています。

ウェルレッドの片割れは、デニス・ボーヴェルのバンド(Dennis Bovell And The Dub Band)で叩いていたり、という相当なクセ者ドラマーですし。御大J.B のように、いつか Pファンク帝国も多種多様なテーマを持ったアンソロジーが組まれることでしょう。その際は、きっとウェルレッドも候補に挙げられることかと。


2020年7月1日水曜日

George Clinton’s Bag ‘O’ Funk

1997年。ジョージ・クリントン親分がプロデュース等で関わった楽曲を集めたコンピ盤。若き日のレッチリとか、主に80年代の時期を中心としたもの。
これに、アームス・ホールの1984年のアルバム “Gohead” から一曲が収録。

Eramus Hall “Checkin You, Checkin Yourself Out”

アルバム “Gohead” にはプロデュースにブーツィーも加わった2曲があり、その内の一曲がこれ。このアルバム、CD化が(今だに)待たれる一枚ですが、とりあえずこちらに収録ということで。いかにもクリントン親分がらみの80年代サウンドに、ブーツィーのベースが気持ち良く走っていきます。

この “Bag ‘O’ Funk” に先行して、同じくPファンクをネタにしたコンピ盤が、老舗シリーズである Mastercuts からもリリースされていました。

Classic P-Funk Mastercuts Volume 1


1993年。こちらは70年代の曲だったり、クリントン親分が関わっていない曲も含まれていたり、という幅広い選曲。ですが両コンピ盤は、収録曲が 3曲もダブっています。
ブーツィーにしても親分にしても、普通に選曲された各自のベスト盤より、こういったコンピ盤の方が楽しく聴けるものです。Mastercuts からのVol.2 は結局無いようで実に残念。

御大J.B が、まさにさまざまなテーマ、切り口でいくつものアンソロジーが組まれていますが。Pファンク帝国の広大な裾野もまた、それに値する沃野であります。