2025年8月17日日曜日

Jason Lindner “Gives You Now Vs Now”

Worrisome
Big Pump

2009年。米国ジャズの鍵盤弾き、ジェイソン・リンドナーのアルバム。
“Now Vs Now” とは、マーク・ジュリアナ Mark Guiliana のドラム、パナギオティス・アンドリュー Panagiotis Andreou(パナギオティス・アンドレオウ、パナジョティス・アンドリオウ、ギリシャ出身らしい)のベース、というトリオを核としたグループ名でもあるよう。
「ジェイソン・リンドナーがあなたに贈る NOW VS NOW」と表記されたジャケットは、白と黒の鍵盤をシンプルに表したものでしょうか。

涼しげなラテンや激しめのロックまで、色々とやってみたという感じですが、なにをどうやっても(変なドラムとかも)安定して聴かせる実力派たちであります。
この三人だけで演奏した曲というのは一曲のみですが、それには “Friendship and Love (aka Pretty Three)” とタイトルされております。仲が良いようです。

プロデュースはミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello で、それに(with とある)ジェイソン・リンドナーと Eric Elterman という方(録音等、エンジニア系のよう)。ミックスはボブ・パワー Bob Power が。

ミシェルは二曲の演奏にも参加。“Worrisome” にはベースで、“Big Pump” にはボーカルで。といっても途中で少しだけ登場してくるとか、歌うわけではなく少しコーラスを入れたという程度。この辺り想像すると、裏方仕事にこもらずに、ここでベースでもやってみたら、という感じで楽しげな録音だったのかななんて。

ジェイソン・リンドナーとマーク・ジュリアナですが、この後、共に、D. ボウイの遺作となるアルバム製作のセッションに参加することになります。



2025年8月14日木曜日

Myron “Myron & The Works”

2008年。マイロンなる方が全曲を歌いプロデュースも本人がというアルバム。
ジャケットのデザインからするとジャズ系、少し小難しそうな印象もありますが、フックの効いたわかりやすい曲ばかり。案外に、切ない系、夏の終わりにいかがみたいな。

全9曲、チャールズ・ヘインズ Charles Haynes のドラムに、ミシェル・ンデゲオチェロ Me’Shell NdegéOcello がベース、エレピ(ローズ、ウーリッツァー)でロバート・グラスパー Robert Glasper という顔ぶれ。その他のギターやシンセをマイロン本人が。

充分に、ディアンジェロ D’angelo 好きにもお勧めできるような、歌ものアルバムであります。バンドの演奏も楽しめますし。
もしもディアンジェロがもっと頻繁に、3年置きほどにアルバムを発表していたら、このような一枚もあったかも、とそんな気もしないでもないような。

シンプルにラヴソング、夏の夕暮れに、みたいな風情で、親しみやすいジャケットにしてアピールするのも似合うかも。
とはいってもこの顔ぶれですから、歌伴にとどまらずに、さらに自由な演奏も聴いてみたいところ。一曲ぐらいインストを入れるとか、もう少しジャズに寄せたような。

なお、CDトレイの内側にはギターを抱えたマイロンの写真が。お気に入りなのでしょうか、Tシャツの胸にはジミの顔が。
本国盤CDを見ると、この写真がジャケットに使用されています。ですが、モノクロ 二階調化されていて、その際に加工したのか、ジミの顔も消されて別の模様に差し替えられています。