2020年2月23日日曜日

Geri Allen “Open On All Sides In The Middle”

1987年。スティーブ・コールマンに少なからず関連したミュージシャン、プレイヤーの中でも、人気が高いというか、幅広くから支持を集めた筆頭といえば、ピアノ弾きのジェリ・アレンでしょうか。
スティーブ・コールマンとその一派の立ちあがりの時期、80年代後半の諸作に参加していた彼女の、三作めのソロ・アルバムがこれ。

聴けばすぐに彼女の才媛ぶりや明朗さが伝わってきます。オープニングの一曲めに、まず高揚させられて。スティーブ・コールマンをゲストに招いたファンクな曲だったり、アブストラクトな曲だったりと、多彩です。

Geri Allen “Twylight”(1989)
Geri Allen “Maroons”(1992)


ジェリ・アレンの持つ響き、ジャズ、あるいはファンクといったスタイルにとどまらない魅力や独創性は、次のアルバム “Twylight” でもまったく変わらずに。

アルバム “Maroons” では、ベースがドゥエイン・ドルフィン(Dwayne Dolphin)に。
フレッド・ウェズリー(Fred Wesley)のバックで、手堅く絶妙にファンクするベースを聴かせてくれる存在です。なんだかアフリカなパーカッションが展開したり、スティーブ・コールマン&ファイブ・エレメンツのアルバムでもやった “And They Partied” の再演があったりと、これも楽しめる一枚。

様々な方々と広く共演を果たしているジェリ・アレンですが、ドゥエイン・ドルフィンとは、彼の初リーダー作 “Portrait of Adrian”(1993)でも再び共演することに。それより先にフレッド・ウェズリーのアルバム “New Friends”(1990)に参加していたりも。
ジャズ畑での活躍が知られる彼女ですが、90年前後の諸アルバムなどは、ジャズ好きだけに聴かせるのはもったいない音が鳴っているような。